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第16話

なんで電話番号を知っているんだろう、と思ったけど―――、一週間前僕が寝てしまっている間に携帯を見られたのかもしれない。 けど確認できるはずもなくって知らないまま僕は一週間ぶりに先生の車に乗った。 家を出て車に乗るまでの緊張は二日前学校に行ったときの比じゃなかった。 怖くてしょうがなくて、だけど乗らなかったらどうなるのか、と考えるとさらに恐ろしくて。 助手席に座った僕に先生は「シートベルト」とだけ言って車を発進させた。 そして予想通り、当たり前のようにその日も僕は先生に犯された。 一週間前とは違って天気のいい土曜日。 なのに、一週間前とは違うリビングじゃなく先生のベッドで僕は全裸にされていた。 手にはなにもつけられてない。 だけど僕は恐怖にとらわれ過ぎて逆に抵抗らしい抵抗をすることができなかった。 一週間前のことを思い出して身体が震えてるけど。 ぎゅっと目をつぶっていることしかできないけど。 身体が強張って、おかしいくらいに震える身体に先生は躊躇いもなく触れてくる。 触れられるたびに身体を捩って、肌に唇が這うたびに逃れようとするけれどうまくいかない。 先生の手が僕の腕をベッドに縫い止めて、冷めた眼差しが勝手にでる声に耐えきれず目を開けた瞬間目に映る。 ―――っん、ぁ、やだっ、や……っあ。 自分の声がひどく遠くで聞こえる。 涙がこぼれて、目元がひりつくくらい熱くて、どうしてか吐き出す息も熱くて死にたくなる。 ヤダヤダ、と叫んでも先生は僕のものを咥え、白濁を吐き出させる。 やめて、と泣いてもドロドロに濡らされた後を、先週までは知らなかった部分を擦りあげられて絶頂に追いやられる。 嫌なのに。 なんで、と自分に絶望する。 ベッドに組み敷かれたときに震えてた僕の身体は時間がたつごとに別の意味で震えて。 下肢から響く水音に涙が止まらない。 顔を背けても唇が塞がれて、熱く絡みついてくる舌に息さえ出来なくて頭の芯が熱に溶かされてく。 何度も気が遠くなって、脱力してしまってると後に感じた熱。 力が入らなかったけど抵抗して、でもあっさりと僕のナカを犯していく先生のもの。 熱くて硬くて太くて、でも十分ほぐされたそこはすんなり受け入れて、僕は深い絶望の中に落ちていく。 ―――っぁあっん、も……っあ、や…っ。 自分の声が遠いのに、うるさい。 いやでいやでたまらないのに侵された後孔は硬いもので擦られるたびにびくりびくりと腰を跳ねさせては先生のものを締めつけて、僕の全身に電流を走らせる。 そして結局僕は―――。 「二回目なのに、淫乱だな」 冷たい声が響く中で、何度目かの吐精をして、そして後でもオーガズムに達して―――意識を手放した。

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