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第25話
先生はなんで僕を抱くんだろう。
それはもう僕の一部になってしまったかのような想い。
考えたって知ることはできない。
僕は聞く勇気もないし、先生はなにも言わないから。
先生は、
「―――」
お弁当から顔を上げて、横を見た。
二つくらい離れた席で女子が先生の話をしていた。
"かっこいい"だとか"彼女いるのかなー"っていう会話が聞こえてくる。
「……」
彼女はきっと、いない。
週末は僕があのアパートにいるし、女性の影を感じたことはなかった。
もしかしたら平日会ってるという可能性もあるけど、なんとなくいないような気がした。
彼女がいるなら僕を抱くようなことしないだろうし。
「……でさー、ハルー」
「……え?」
「なに、話聞いてなかったのかよー」
「ご、ごめん」
しょうがないなーと苦笑する一緒にご飯を食べてた友人ふたりに、ごめんねとまた謝ってちゃんと二人の会話に意識を向けた。
だけどどうしても頭の一部には先生のことが残る。
なんで、だろうって。
先生は僕を毎週抱いて。
だけど―――それだけ。
学校での僕と先生に接点はない。
担任だけど、先生は僕を見ない話しかけない―――絶対に触れない。
普通触れることなんてないのかもしれないけど、だけど、学校で先生の目に僕が映ることはほとんどなかった。
先生にとって僕ってなんなんですか?
きっと、ずっと聞けない。
―――――――
―――――
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