29 / 76
第28話
カーテンを閉ざして暗くなった部屋の中。
外は雨が降っている。
毎日のように雨は降っているけど、いまは梅雨なのだからそれも当然といえば仕方のないこと。
窓に打ち付ける雨音はそんなにひどくない。
さざなみのような音が耳を澄ませばかろうじて聞こえるくらい。
だけどそれもいまの僕には届かないし、その雨音をかき消すのは僕の声だ。
「……っ……ふ、ぁ」
ベッドの上で先生が僕のものを咥内に含みながら後孔をほぐしている。
大きく脚を開かされて羞恥を感じるけどそれよりも身体の熱さと気持ちよさが上回る。
最近では午前中から先生の部屋へ来て夕方まで過ごすことが多かった。
身体を重ねて勉強してご飯を食べて身体を重ねる。
「……ん、っ」
ぴちゃぴちゃと聞こえてくる水音に身悶える。
先生の指が二本挿入されているのを感じながら、直接咥えられて絡みつく舌に与えられる刺激に吐射感がつのってくる。
先端を尖らせた舌先がくすぐって吸い上げてくる。
同時に後孔も前立腺を擦られて僕はもう声を我慢することもできずにだらしなく喘ぎながら身体を痙攣させて白濁を吐きだした。
咥えたまま、先生は僕のを全部飲み干す。
止めてくださいと言ったって先生は平然と飲むからもう最近はされるがままになっていた。
飲み干すときにたまに唇の端から白濁が伝っていることがあってそれを舐める仕草にすごく胸がざわめくことがある。
「――早かったな」
指を三本に増やしながら、ようやく僕の半身を解放して先生が僕を見た。
無表情なのに眼だけは欲色に染まってて、見つめられると逸らしたくなると同じくらい目が離せなくなってしまう。
確かに今日、先生に口に含まれてからは早かった。
だけどその前からずっと後孔を散々弄られていたし……。
でもそんなこと言える筈もなくて顔が赤くなってしまうのだけを感じる。
「っん、ぁ……」
返事など待っていない先生は三本の指をバラバラに動かしながらも前立腺を擦りあげてくる。
それに吐精したばかりだっていうのに緩く反応してしまう僕の半身。
「淫乱」
冷たい声が落とされて、僕の身体を反転させる。
うつぶせにされ腰を持ち上げられた。
そのときに先生のものが肌を掠め、勝手に身体が反応して先生の指を締めつけてしまった。
「……そんなに早く欲しいのか?」
いつも僕は先生にされるばかりで僕が先生の身体に触れることなんて揺さぶられているときしかない。
だからいつも挿れられるまで心配になる。
先生はちゃんと勃ってるのかな……って、そんなことを。
「……あ……の」
僕が触れてなくても、先生だけが僕に触れていても、先生のはちゃんと熱く硬くなっていて。
それに気づくとホッとする。
―――おかしい、ってわかっていても。
"僕は犯されているだけなのに"
ともだちにシェアしよう!