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第29話

「……せんせ……い」 戸惑うように出た声が甘くねだっているようなものになってるのは自分自身がよくわかってた。 僕の呼びかけに対する返事はなくて、かわりに指が引き抜かれた。 そして先生のが宛がわれる。 その硬さに背筋が震える。 「―――……っ、あ」 後孔を押し広げ進んでくる先生のものに僕はシーツを掴み、圧迫感に呼吸を浅く繰り返しながらも確かな快感に頭の中が沸騰しそうなくらい何も考えられなくなってしまう。 吐精の後、触れられていないのに僕のものはまた勃ちあがっていた。 根元まで挿入された先生のものに貫かれているだけで身体が疼いて痺れるような感覚が全身を襲う。 そして先生がゆっくりと動き出す。 先生のものが出ていこうとするのを止めるように収縮する後孔。 ギリギリまで引き抜かれ喪失感を覚え、また根元まで挿入され満たされその熱に震える。 ―――3カ月前よりも、明らかに変わった僕の身体。 先生に全部開かれ曝され教えられた身体。 「ん、……っ、は……」 ゆるやかな律動だけど前立腺はかならず狙うように擦られていく。 前を弄られなくてもイキそうになってしまうようになったのはいつからだったんだろう。 「……っ」 先生の吐息が背中に落ちてくる。 僕の腰を掴んで腰を打ちつけてくる先生の顔は僕からは見ることはできない。 いま、どんな顔をしてるんだろう。 先生は僕を抱いて、気持ちいい? 気持ちいいから、こうなってるんだろうけど、それでも最近は訊きたくなってしまう。 もちろん訊けないけど。 だからかわりに―――そっと、僕は後へと手を伸ばし先生の手に触れた。 ほんの一瞬動きが止まる。 そしてすぐにその手を引かれ、 「ンっ、ぁ、っ」 起こされ、先生の脚の上に乗せられる。 背面座位の体勢はより深く先生のものが突き刺さって背中がのけぞった。 首筋にかかる荒い息と微かな呻き。 僕を追い上げるように下から突き上げながら、前に回った手が僕のものを掴んで扱きだす。 「っ……ぁ、ヤ……だ……っ、せん、せっ」 生理的な涙が目の端に滲んだ。 イヤ、じゃなくて、気持ちよすぎて意識が飛びそうで、わけがわからず首を振る。 先生は容赦なく突き上げて首筋に唇を寄せた。 汗ばんだ身体を舐めとるように舌が這う。 それされも気持ちよくて、でも、 「……せんせい」 首じゃなく、肌じゃなく、もっとほかのところに触れて欲しい。 肩越しに振り返ると先生が顔を上げて視線が絡む。 無表情なはずのその顔にはもう余裕はなく、獣のように欲にまみれた男の顔がある。 学校では見ることのない表情。 先生のことで騒ぐ女子たちも、誰も知らない。 学校では僕に触れない手は、今こうして学校の誰も知らない動きで僕を翻弄している。 ―――先生、と呼んだ。 僕はなにも言えない。 僕がなにを言っていいのか、わからないから。 ただ呼んで、濡れてるだろう目で、見た。 無言で先生は僕の唇を塞いだ。 苦しい態勢だけど与えられる刺激の方が大きいし、キスをやめたくなくて僕は必死に舌を絡みつかせた。 揺さぶられ、全部を奪われるように貪られる。 それにホッとしている、僕がいた。 ***

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