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第71話

「ぁ、っ、んっあ」 ひっきりなしに遥の甘い声が室内に響いている。 後孔にはもう3本も俺の指が咥え込まれていて動かすたびに遥の身体は震え、嬌声を上げていた。 一度欲を吐き出した性器は再び勃ちあがって雫を溢れさせている。 「ん、理哉せんせ、っあ」 遥には自分で脚を抱えさせ、俺はただ後孔を広げるように指を動かす。 ローションと遥のものから流れたものが混ざり合い泡立つように卑猥な水音を響かせる。 太股を持つ遥の手は震えていて何度か滑るように力が抜けかけては持ち直す。 「も、う、……っ、せんせ……」 濡れた声がしきりに俺に訴えかけていた。 俺だって早く挿れたい。ただ久しぶりに開く身体に負担はかけたくなかった。 「やだっ……もう、先生……っ」 ぎゅ、ときつく熱く指に思わず眉が寄ってしまう。 優しくしてやりたい、のに煽られ我慢できず遥の太腿に触れ腰を浮かさせると猛りきった半身を遥の後孔にあてがった。 ほんの少しだけ先端がはいりこむ。 それだけでも沸き上がる快感に息を詰め遥を見下ろすと、潤んだ目と視線が絡まった。 普段の大人しい遥からは想像できない妖艶で淫らな表情。 荒く短く漏れる声さえも艶やかで色気をまとっていた。 「……お前、エロくなったな」 つい呟けば、遥が不思議そうにしたあと瞳を揺らす。 「……先生が……そうしたんです……。それに、先生以外には、こんな」 言いながら羞恥に頬を染める。 淫らさと変わらない純粋さと。アンバランスさに口元が緩んだ。 「……なんで笑うんですか……?」 少し拗ねたように、そして不安そうに見上げる遥に軽く首をふった。 「いや、お前はやっぱり可愛いなって思っただけだ」 「……え」 「遥」 はい、と恥ずかしそうに小声を出す遥の内腿を撫でる。 「挿れて、いいか」 あえて確認するために聞いた。 熱情に浮かされて快楽に流されてじゃない、言葉を聞きたくて。 「……あ……」 遥は何度か目を瞬かせてからそっと唇を動かした。 「……先生……僕に、挿れてください。先生、好き……っ」 声を震わせながらもはっきりと言った遥に、俺は一気に腰を進めた。 熱い遥の体内に目眩を覚える。 もう二度と抱くことはないと思っていた。 触れることなんてないと、こうして繋がることなんてないと思っていたのに。 「せんせ……」 少し辛そうに眉を寄せながらも遥は微笑む。 「平気……じゃないよな」 額に滲む汗をぬぐってやる。 久しぶりにひらいたソコは狭くてきつく俺のを締めつけてくる。 「平気ですっ……。確かにちょっと苦しいけど……だってそれは僕と先生が繋がってるって証拠だし……。だから嬉しいです」 いまにもこぼれそうなほどの涙が浮かびあがる。 素直な言葉は想いがこもっていて胸が締めつけられる。 なんで―――この手を離そうとしたんだろう。 「ああ、俺も嬉しい」 普段なら到底言わないだろうことがすんなりと口をついて出た。 遥は一瞬驚いて、すぐに大粒の涙を頬に滑らせていった。 泣きながらも微笑んで俺の頬に触れてくる俺よりも少し小さい掌。 「先生、好きです」 伝わる体温に胸が焦がれる。 「俺も好きだ」 こぼれおちる涙に唇を寄せる。 舌で舐め取ると恥ずかしそうに目を細めた。 「……それと遥」 「はい?」 「ふたりでいるときは名前で呼べよ」 「……はい。理哉先生」 小さく頷く遥に苦笑が浮ぶ。 「先生はいらない」 言いながらゆっくりと腰を動かしていく。 ずるりと抜けそうなほどまで引き抜くと遥は眉根をきつく寄せながらも、戸惑うように俺を見つめた。 「……理哉さ……ん?」 「さん、もいらない」 そしてまたゆっくりと押し入っいく。 内壁へと擦りつけるようにしながら侵入していけば遥は吐息をこぼし、 「……理……哉……?」 とぎこちなく呼んだ。

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