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月曜日の夜(8)(side 凪桜)

僕の運転が荒いことを指摘されたけど、それはもう十分自覚してるから。そんなツッコミを入れてくれる方が気を使わない仲になったようで嬉しい。 「はー美味しい。眠くなっちゃうから、気をつけないと」 どこかで寝てしまわないように。 これだけはお酒を飲む時に気をつけているから、つい口に出てしまう。 「泊まっていけば? 仕事部屋に布団を敷くよ」 と言われ一気に気が抜けた。疲れるんだ、気を使いながら飲むの。こんなに楽しいのに気を使い続けるのも嫌だなと思い始めていたところだったから遠慮なく泊まらせてもらうことにした。 締めの雑炊は真誠さんが作ってくれるって。卵にチーズにネギなんて作る前から美味しいよね。 僕は調子よく梅酒を飲み続けてたけど、泊まると決まり今からご飯となったらまだまだ夜は長く楽しめるとめが冴えてきた。 真誠さんが鍋の蓋を開けると薄黄色につやつやと光る雑炊が湯気を上げた。 「わー絶対美味しいね、これ」 「教えてもらってからよく作るんだ」 チーズの糸を引きながら取り皿にすくい入れると熱いのもお構いなしに口に入れた。初めて食べたけど好きな味。ネギも合うんだなぁと思いながら真誠さんを見ると目が合った。 「どう? 美味しい?」 「美味しい。美味しすぎて美味しいって言うのも忘れてた」 真誠さんは鍋しか作らないとか言ってるけど、バリエーションが沢山ありそう。教えてくれる人がいるのかな。 無口になって雑炊を食べながら、なんか食後用にデザート買ってこればよかったかな、果物とかなんて考えていた。さっきまで今夜の終電で帰るつもりだったからそんなこと思いもしなかったけど。 「コンビニまでデザート買いに行かない?」 声をかけると 「いいよ、すぐそこにあるから行こう」 ふたりでスウェットに一枚羽織って外に出る。なんだかお泊まりに来た中学生か高校生が買い物に行くみたいで、することひとつひとつが新鮮で、なんなら走り出してしまいそうな気持ちになった。 実際はいい大人がほろ酔いでグダグダ歩いてるだけなんだけど。 「何買う?」 「僕はアイスかな」 「だよねー」 「お互いの好きなアイスを当てっこしよう」 僕は本当に子どもみたいなことを真誠さんに提案した。

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