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凪の住処(4)(side 凪桜)

真誠さんが明日締切の仕事をする間、とりあえず寝室をなんとかしようと思った。 まずはお風呂を洗ってお湯を張ろう。なんかないかな。あ、ドクダミでも入れようか。干してゴミ用ネットに入れてあるドクダミを湯船に入れて蛇口をひねる。塩もひと握り。なんか料理してるみたいって言われそう。 真誠さんが仕事してる居間の隣りの和室がベッドルーム。ベッドのシーツを剥がしてマットを上下逆、裏返しにして、それから洗ってあるシーツをかける。掛け布団のカバーも変えて、厚手のタオルケットも出しておこう。 あと枕。枕は選んでもらおう。ソバ、羽毛、ピーズ、低反発、ポリエステルなんでもある。枕はなんとなく定期的に変えるからたくさんあるんだけど。あと寝室には椅子もいっぱいあるから真誠さん驚くかな。 軽く床にはペーパーモップをかける。アロマスプレーもひと吹きしておく、臭いとか思われると嫌だもんな。 そっと居間を覗くと真誠さんはチャビと何か話してる。仲良くなったみたい。縁側と廊下もモップをかけて。そろそろお湯もたまるころだ。 真誠さんに貸す着替えはパジャマでいいのかな。スウェットとかないんだよな。あ、バスタオルもキレイなのを。 「バタバタしてごめん。仕事はどう?」 「大丈夫、キリはついたよ」 「新しい話、楽しみだなぁ」 「もちろん、期待に応えるつもり」 「お風呂はいる?」 「一緒に?」 もしかしてそう言うかなと思ってた。何か期待してるわけではないけど、部屋を片付けるのも苦じゃない気がするしここに人が入ることに嫌な気分にならないのは、やっぱり何か期待してるのかも。 「でも、真誠さんが入ってる間にこの部屋を片付けようかと」 「いいよ、後で一緒に片付けよ。手伝うから一緒に入ろう」 言われた通りで散らかってる部屋を今片付けなきゃいけない理由は特になくて 「じゃあ一緒に」 真誠さんは笑顔で立ち上がるとジーンズを脱ぎ始めた。 「早いよ、真誠さん」 僕は笑って持っていたバスタオルとパジャマを持って案内した。土間のスノコの上を歩いてキッチンの横にあるお風呂までいく。脱衣所はなく藤の脱衣カゴとバスマットが置かれたスノコと台所の間に衝立があるだけ。一人暮らしだと不自由はないけど、ちょっと変かな。 「ここで脱いで入ってくれる? 台所から半分見えるけど」 「凪桜さんしか居ないから平気だよ」 僕もカットソーを脱ぎ、パンツも脱いでお風呂の戸を引いた。

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