「凪桜さん、こたつに肘をついて、もっとお尻を突き出して」 顔に熱が広がるのを感じながら言われるとおりの格好をする。自分からこんな姿、お尻を真誠さんに向けて突き出すなんて、恥ずかしくて顔から焼けてきそうだ。 僕は性的に淡白だと思っていたけど本当は違うのかもしれない。この先に待っているはずの快楽に期待しながら体がうごいてしまう。 真誠さんが優しい手つきでヌルヌルと撫でてくるだけでも声は出るし、こんな姿を後ろから見られていると思うだけで果ててしまいそうな熱に襲われる。 そして真誠さんがどんな顔をしてこの姿の僕を見ているのか気になって、体を反らせ振り返って見た。真誠さんは優しく目を細めると僕の中に指を入れた。 「ああっ」 こたつに伏せるようにしがみついて抜き差しの刺激に耐える。耐える？ 違う、僕は快楽に震えている。どこから出ているのかわからない声、でも僕の体がこの音を出している。真誠さんの手で僕が悦んでいる音だ。 中で動く指がソコを触ると僕の体は勝手にヒクヒクと震え息が止まり頭の中からふわっと開放感を得た。苦しくないのに苦しいような、我慢したいようなしたくないような。 「お尻だけでいくの、気持ちいいよね」 ここだけでイクという感覚がまだあやふやな感じがしているのは、放出するイクとは違う感じだからなのかもしれない。 ふわふわとした余韻の中にいたら真誠さんに促された。 「ゆっくり。ゆっくり俺の上に座って」 僕は真誠さんの脚を跨ぐように膝を立てて固く立ち上がった芯をそこに当てる。ゆっくりゆっくり、まだ少し不安と怖さがあるから慎重になってしまう。でも、真誠さんがちゃんと見ててくれるから大丈夫……。 心配されないように声を我慢しているのに自分の体が勝手に音を出してしまう。そっと、少しずつ進んできつい所を過ぎると、さらに深く沈んで息を吐いて、ゆっくり真誠さんに体重をかけた。 「凪桜さん、俺たち繋がってるね」 「うん」 「動かないで、しばらくこのままでいよう」 抱きしめられ、肌を撫でられ体の力が抜けてくると繋がった所の違和感が徐々になくなり馴染んできたような気がする。本当に繋がって、このまま溶けてくっついてしまいそう。 「……真誠さん」 「ん、なに？」 少し落ち着いた僕は胸のあたりをさわさわと動き膨らみを摘んでいる手を撫でながら口に出した。 「したい時は言ってくれたらいいのに」 真誠さんは僕の背中に顔を付けたまま 「なんかさ……お正月の教えとか駅伝の事とか聞いてたら今しかないって思っちゃって。うっとうしくてごめん。相手してくれてありがとう」 というと、回した手に力を入れてきた。 「そんなに厳しく教えを守ってるわけじゃないし、僕だって真誠さんとしたくなったら誘う」 「ほんと？ お正月でも？」 「だから、したくなったらって」 いつも真誠さんは無邪気でストレートで予想外だ。面白いからいいんだけど。 「よかった、嫌がられてなくて」 「嫌がってないってば」 僕は膝に体重をかけてそっと腰を上げ上下に少しだけ動かしてみた。 「うわっ！ 凪桜さん、急に動くとイッちゃうから」 と、また体をきつく抱きしめられて僕もまたイキそうになるのを我慢した。