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チャビは喜び庭駆け回り、凪桜はコタツで丸くなる(11)(side 凪桜)*
真誠さんの大根と白菜のサラダ、シャキシャキして美味しいんだ。ごまドレッシングでもいいし、オーロラソースでも、レモンでもなんでも合う。今の気分はマヨネーズにポン酢。カレーはどんな味も受け止めてくれる。
今日はほとんど食べずにテレビに付きっきりで空腹も忘れてた。優しい味のトマトカレーがお腹にじんわり染み渡る。真誠さん、ありがとう。
僕は目も耳も指先もずっと駅伝に向けていて、斜め向こうにいる真誠さんは時々僕を見ていた。見られているのは恥ずかしいからやめて欲しいけど、なんとなく一緒に見られるくらい楽しんでくれてるから、まぁ許す。
今日の結果を振り返ったりニュースや往路の速報番組を見ている間にお皿は片付き、お風呂も用意されたらしい。一緒に入ろうと誘われた時にちょうどツイッターに投稿された動画を見始めた。先に入っててもらって動画を見て満足した僕は、少し寒い土間に降りてさっさと服を脱ぎ歌声の聞こえる風呂の戸をあけた。
歌声がはっきり聞こえ、真誠さんのご機嫌な歌に笑いながらシャワーを捻った。
体を洗い湯船に沈むと真誠さんが僕の足の間に入ってきて頭を預けてくる。
「真誠さん。カレー、美味しかった。また作って」
「うん。明日も作ろうか」
「明日? それはさすがに」
僕は褒めるとちょっと調子に乗る真誠さんの、わざとなのかそうじゃないのかわからない無邪気なところにいつも心が緩む。こういう感じって僕にはないと思う。
「じゃあ風呂から上がったら、俺のこと食べない?」
こういうことも、普段はすごく様子をうかがってるみたいなのに何気なく言うんだ。食べない? って、小説だけで使う言葉だと思っていたけどそうでもないんだね。
「真誠さんて、僕のこと大好きだよね」
僕は真誠さんの脇の下に手を通して、左手は胸に巻き付け、右手はさっきから形を作って上を向いてきてる固くなったところを掴んだ。
「あっっ……」
真誠さんは不意打ちに驚いて僕の腕をぎゅっと掴んだ。
「さっき、僕の体見てたでしょ」
顔を横から覗き込むと、目をぱちぱちとしながら真っ赤になって口元をムズムズさせている。僕は首筋に舌を這わせながら、手の中にある固くなった芯を柔らかく握ったり緩めたりしながら上下に動かした。
「凪桜さ……あ……ぅぅん」
真誠さんは声を出しながら僕の首に手を回す。
「僕の体、そんなに魅力的?」
握る手に力を足してさらに動かすと
「好き……俺、全部好き……」
といって首から顔に手を伸ばしてきたから、その指を咥えちゅうっと吸い付いた。
「っ……んっ」
「食べて欲しいんでしょ?」
軽く歯を立てギリギリと動かしそれから舌を絡めて口の中でくちゅくちゅと吸い付いた。胸の粒も探し当て指先で掠めたり摘んだりすると声を出さずに上を向いて息をつめている。
我慢してるのって、もっと攻めて欲しいってことだよね。僕は自分の固くなったものを真誠さんの背中に当てながら
「食べて欲しいっていうのはどういうこと?」
「っうっ……っ……」
僕はうなじにちゅっと吸い付き真誠さんの反応を楽しむ。
「ねえ、こっち向いて」
少し手を緩めると真誠さんが振り返り、目尻を下げ潤んだ目で僕を見る。
「どうして欲しい?」
僕はやっぱり、少し意地悪をしたくなる。振り向いたらキスしようと思っていたのだけど。
「……」
真誠さんは無言で唇を近づけようとするからわざと顔を遠ざけて、もう一度言う。
「どうしたいか、ちゃんと言って」
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