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第11話

「さて…理解していただけましたか?」 「意味がわからない…」 「夏の想い人はこの人ですよ。社長」 「え?こいつとは…昨日初めて出会ったばかりなのに…どうして…」 「…」 「出会った期間なんて関係ない。俺は…課長に…夏に引かれた。貴方の気持ちもわかっていたけれど…この人だけは諦められない…」 「何で…夏なんだよ…お前…には…他にいるだろ!!俺には夏しかいないのに!」 「それは親父の一方的な感情でしょ?俺は他の誰でもない。夏がいい」 「だめだだめだ!」 「は?これまで一度も反対なんかしたことないくせに」 「夏だけはだめだ…」 「嫌だ。俺は夏がいい。親父にだって譲る気はない」 「出会って一日で夏の何がわかる!」 その時アミーが指をならす。空間が歪む 「な…に…」 「面倒だよね…本当に…人間って面倒…」 先程までしまわれていた漆黒の翼が開かれる 姿もいつもの小柄な姿に代わり可愛らしく微笑んでいる 「どうして夏なのか知りたいでしょ?」 「…どうなってる…」 次に空間の歪みが収まるとそこはどこか見覚えのある河原だった 「ここ…」 「夏。覚えてる?俺たちが初めて出会った場所だよ」

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