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第12話

そこから目の前の映像が遡っていく。 今見えているのは僕の幼い頃の姿と寄り添うリドル 「「夏?」」 「そうです…」 「貴方には見覚えのある姿でしょ?秋月社長」 社長は静かにうなずく。遊んでいる夏のもとへまた1人少年が近付いてきた。 「これ…俺だ…」 僕の記憶の中にこの少年の姿はない。こんなに前から出会ってたんだ 「俺は…この時飼い犬と一緒に遊んでいる夏の姿に惹かれた」 「え?」 「だから中学の時にお前を見つけて…嬉しかった…この頃から俺はお前のことを特別な感情で見てた…」 知らなかった事実… 時は更に遡る。これは見たことのない世界… まだ真っ白な羽を背負う金色の美しい髪を持つアミーだ… 誰かに大声で叫んでる。…アミーの前には跪かされ足は錘のついた鎖をまかれ腕にも同様な物がついている。羽は真っ白。アミーと比べると大きい。でも髪の色は黒い。ふと見えた顔は群を抜いて美しかった。 次の瞬間映像が変わる。そこがわからないほど深い谷底。そこへ向かって先程の美しい人が落とされた。 アミーは他の白い羽を持つものたちに羽交い締めにされ泣き叫んでいる。 そしてまた場面が変わる。ここは…牢獄… 真ん中に寝かされ辱しめを受けるアミー…アミーはボロボロと涙を溢していたのにそれでも彼らに歯向かっているようだった。 その側には体を小さく丸めた…ミカ… 男たちが去ったのを見計らってどこからか鍵を取り出し開けた。 そして二人で駆け出す。 そして月明かり指す湖へアミーは身を投げた ミカはまた別の男に抱きしめられ泣いている。男は優しくミカを撫でていた… その後はまた俺たちの知る世界へ… 目を覚ましたアミーは既に僕のよく知る姿…悪魔へと変貌を遂げていた… 人の気配に気づいたアミーは猫へと姿を変え人の世を歩きだす。 そして先程の河原…踞るアミーは身動ぎしない。 暫くすると真っ白な子猫…多分これがミカ。 二人で寄り添い暖め合ってる。 その時人が来る。始めは2匹を可愛がっていた。優しい顔で…でもそれが一変する 別の人が近付いてきたから。そいつはまずアミーを蹴った。 それから小さな命を弄ぶように…叩いたり…蹴ったり… そうして…しばらく。川に二人を投げた。 彼らが流れていく。そして… 「リドル!あの子達を助けて!!」 幼い頃の自分が叫ぶ。それを聞き、リドルが川へ飛び込み2匹を救出した。 そして僕は2匹を抱き抱え来ていたジャケットでくるみ家に連れていった。 そのときは両親は健在で獣医師だったから2匹を治療。不思議なことに一晩で二匹は回復し両親がとても驚いていて翌日から二人と暮らすのだが… 数日で彼らはいなくなった…きっと回復し元の住み処へ戻ったのだろう

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