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第25話

ミカ&アミーside 「望は気付いているんだね…記憶は全て消したはずなのに…」 「…それだけ…夏さまのことを心から愛していらっしゃるから…だからこそ…夏さまの中にいるリドルのことを見つけたのでしょう…」 「夏…どうすれば君は楽になれる?」 せっかく望さんが用意してくれた朝食は冷えきってしまい結局日が高くなるまで二人に可愛がられていた。 「…望さん…」 「夏…夏の中には本当は誰がいるの?」 急に頭痛がした。割れそうな位痛い 「いた…痛いっ…痛い…」 断片的に流れてくる映像たち…僕の知らない光景… 「夏!!」 「誰?」 全身真っ黒な少年が目の前へ降り立つ 「ミカ。早く」 「えぇ…」 急にやって来た来訪者に三人とも動けなかった 真っ白な人が何か呟くとまばゆい光が辺りを包み込む。 この光景…知ってる… 「リドル…」 晦日くんも望さんも苦しそうに頭を抱えている。 光が消え去った後痛みが和らぐ。顔をあげると… 「ご主人さま…」 「…まさか…」 全てのピースが填まる。 僕は本当は誰を思い生きてきたのか? 涙が溢れる… 「ごめんなさい…望さん…僕は…」 「…わかった…わかったよ…夏……」 望さんが泣きそうな顔で笑う… 「…ごめんなさい…ごめんなさい…」 「夏…泣かないで…ほんの数ヶ月だけど…お前と恋人として隣にいられて…幸せだったよ…」 優しく抱き締め髪を撫でる指先…好きだった…どうしようもなく…好きで…安心できてた…でも…ごめんなさい…僕の心はやっぱり… 「長く…思い続けてきたんでしょ…お互いに…だから…そんな顔しないで…晦日…夏を頼む…絶対に幸せにして。傷付けたら許さない」 「わかってるよ…おいで…夏…」 両手を広げる晦日くんを見て満足そうに望さんが笑い僕を解放しトンッと優しく背中を押してくれた 「夏。浮気はいつだって歓迎だから。いつでも戻っておいでね。晦日で満足できないときはね」 「させねぇし…」 いたずらに笑う望さんと決意に満ちた晦日くんの顔…どちらも大好きな表情… 「ありがとう…」 「夏さま…あなたは…」 「ミカ。アミー。ありがと…ずっと側で見守ってくれてたんだね…やっと…たどり着けたよ…本当の居場所…」 「もう。わけわかんなくなって自棄にならないでね。あ。そうそう。ミカね今回はお咎め無しだったよ。だから天使でいられてるよ。」 そう…心配してたんだ…ミカが咎人とされ罰を受けること… よかった… 「夏。もう逃げちゃダメだからね。じゃあ。俺たちは帰るね。また仕事で会おうね」 そういうとミカとアミーは人へと姿を変える 「え…」 「そっか。わんちゃんは知らないか。この姿。初めまして。花園 アミです。」 「あなたが…」 「この間はありがとうございました。事細かな分かりやすい資料でした。秋月社長。これからもよろしくお願いしますね」 「秤 ミカです。ご存じですよね」 ミカの姿はよく知る人。うちの会社の顧問弁護士だった。見た目はとても華奢だが実は望さんのSPをするほどの力の持ち主。 天使のときのミカとは随分と違うため全く気付かなかった。 「これからも側で皆様をお守りします。よろしくお願いします」 二人は部屋を出ていき三人で取り残された 「夏。これからも社員の一員として会社に尽力を…よろしくね」 「はい」 完

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