35 / 39

第35話

「…え?」 突然のことに頭が追い付かない…気が付かなかった…そんな風に思ってたこと…どうすればいい? 『ミカ…素直になれ。大丈夫だ』 イザヤの声が耳元で響く。イザヤの力の一つで遠くからでも声を届けることができるのだ 『ミカ。迷うな。大丈夫』 「望さま…私は…」 不安そうに私を見上げる望さま…思わず抱き締めた 「望さま…私でいいのですか?」 「ん…お前がいい…」 「望さま…愛しています…進んでもいいですか?私だけのあなたをくれますか?」 「勿論だよ。俺を受け入れて?」 「…はい。…すいません。…食事は後でも?」 もう我慢なんてきかない。頷いたのを確認して寝室に抱き抱え連れていきベッドへ横たえる。 「秤…」 「ミカです。そう呼んで?」 「ミカ…」 「はい…望さま…」 「ミカも…さまなんてつけないで呼んでよ」 「望…」 頬を染めてはにかむ望に見惚れて… 「あのさ…ミカ…ここにきてなんだけど…お前は上なの?下なの?」 「…どちらも平気ですが…望の好きなように…」 「ミカに…入りたい…」 「えぇ。わかりました…」 そうして初めての夜が更けていった。 種族の違う交わりは甘く蕩けて… 「ミカ…死ぬまで…一緒にいて…」 「はい。仰せのままに…」 完

ともだちにシェアしよう!