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EpisodeⅦ

経験値がアホみたく上がり叩いた者達にも配分されると... あちこちから〝ひゅよん〟というこのゲームならではのレベルアップ音があちらこちらから聞こえてくる。 白チャット(一般チャット)は大賑わいになり、ウザくなったのでサブに個人メッセージを送る。 〝そいじゃ、隠居生活に戻るわ〟 〝つれねぇなー弟がゲーム始めたから、手伝えや〟 〝ふ ざ け る な !〟 冗談じゃない。これ以上オレを人と絡めないでくれ。俺は引きニートで良いんだよ。 〝サブちゃん、切ない(´;ω;`)〟 〝はいはい、またな〟 〝吉田に俺の愛は届かないのかー!!!〟 はっきり言って不要である。 サブはこうやって絡んでもわざわざオレに何かしてくれとは滅多に言わない。というか嫌がる事は言わないのだ。だから心地いいんだが、こいつのリアルはどうなってんだよ。 あの発言の数々から考えても〝変な人〟ってイメージしかない。 けどさ?こいつがオレの学校にいて、ましてやリアルでも会ってる可能性が1番高いんだよな。 やっぱり知りたい...そう思いつつオレは、自分の家へと戻った。行く時は召喚だから楽なのに、帰りは歩きとか...ほんと辛い。 ──────── 朝目覚めると自宅で、いつもの如くオレはもそりと布団から起き上がった。 もそもそと学校へ行く支度をして、居間へ顔を出せば、母親が用意してくれていたパンと目玉焼きがあった。 「食うの面倒...」 パンをひとつ手に取り、ほかの食材には手を付けずに学校へと向かった。 未だコインはオレの手の中なのだ。 「いい加減見つけないとだよな」 サブはどいつなのかと、発言や言動を見てもゲーム内とリアルは全然違うし、お調子者を見つけてガン見してもどうもしっくり来ない。 専ら昼飯は中庭のロンリー専用1人がけの椅子に座って食うのが、ココ最近の日課になった。 毎日のように見かけるのは、用務員の人だろう。花畑に水をやったり、どこからともなく花を運んだり石灰で線を引いたりと暇のなさそうな人。 あとはタラシと呼ばれる男子の生体が少しわかった。入れ替わり立ち代りと、相手を変えて昼を食ってる。 中学から上がってきたヤツらは元気が有り余ってグラウンドへ走ってくし色々面白い。 「...オレは隠居ジジイかよ」 ポツリと自分の考えてる事にツッコミを入れた。 「ぶはっ!」 ら、人に聞かれた...最悪だ。 「外でご飯なんてオシャレなんじゃねぇの?」 いきなり用務員に話しかけられて、驚いた。花壇の花を植え替えしていたらしく、手押し車に花を積んで、軍手が既に黒く汚れてる姿をジッと見た。 「あーごめんごめん、君最近よくここにいるよね?まさか若いのに隠居ジジイとか言うなんてビックリしてさ」 ...この用務員手強い、なんだこのコミュ力。 オレから言わせればガクブルもんだぞ? 1人で胸のかなで会話をするのがオレの得意スキルだ!と、無言貫いてたら... 「...うん、俺一人で話してるね、大事な昼時間にごめんなー」 爽やかに消えてった。 なんなんだよ。去るなら初めから声なんか掛けなければいいのに。 オレは弁当を...と言っても購買のパンの袋しか残ってないけど。それを丸めてビニールに入れると立ち上がり、教室へ戻ろうと思った時。 「おーい、少年!」 また来た... 「はい?」 声を掛けるなオーラ出ているはずなんだけどなーと思いつつ、返事をしたらいきなり手に飴玉をひとつ乗せられた。 「俺と、君の秘密な?」 そう言って去っていった。 え!?なんなの!?知らない人から飴ちゃん貰うなって教えられてないの!? オレは手に残る飴を見て、そのままポケットに突っ込んだ。

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