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EpisodeⅩⅥ
最近のサブはやたら絡んでくる。
だから、なんでだと聞いてみた。
「え?吉田Loveだから?」
なんか違う...Loveってなんだよ!
「あーっと、へいへい」
とりあえず無難に返事をしておいた。だってからかってるとしか思えん。
オレLove?な、サブは時折ギルドチャットで黙ることが多いけど、最近は一緒の時間が多くなったせいで、ギルドからの呼び出しが頻繁らしい。
下手すると狩りに出てる時に動きを止めるから何度かヤキを入れてやった。
「吉田ぁーギルドに入らないか?」
これも、最近口癖のように言うんだよな。
「答えわかってるんだから聞くなよ」
としか言えない。
リアルも、サブに侵食されてオレの行き場がなくなってきた。
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「って事でさ...なぁ?聞いてる?吉田」
昼飯...先日の事だ、いつもパンとかで済ますオレのために作ったんだから、食べろとゴリ押しされてしまい1度食べたら...。
当たり前のように毎回持ってくるようになった。そしてその時間中オレの横だったり前だったりの席でただオレに話しかけるという苦行を自ら遂行するあたりドMなんじゃね?
オレは相変わらず無言多いしな。
黙々と食べてごちそうさまを残して去っていくのを何度か繰り返した頃...
「ほんとお前無口な?くくく、俺のやってるゲームにも吉田っていてよ?そいつもかなり無口なんだよなー」
やめて!オレの心臓10センチくらい飛び出したじゃねぇか!!!
でも待てよ...ここならゲームの話を聞いても大丈夫なんじゃね?オレがなんであの世界に寝たらリンクするのか...少しでもわからないかな?
「あのさ、そのゲームって」
よし聞こう!そう決めて話しかけたら、慌ててサブが手を振りながら答えてきた。
「あーごめん、その話題は話しちゃダメなんだよ...特殊なゲームで、市販されてないモノなんだよなー」
えっ!?まった、何その情報!そしてなんで言えないの!?
ますます、あのゲームが何なのかが気になるじゃないか!
でも弟も始めたと言ってたよな?なら、アイツに聞けば...
そう思って弟に聞いてみたが、話すなと言われてるという回答をもらってしまった。
オレはいつまでゲームの世界にいなければならないのか、そもそもに寝たら勝手に飛ばされるからやっぱり吉田兄弟は絶対的に情報を貰う為にも仲良くした方がいいんだよな。
そう結論づいた。
ゲームに入り、また一日が始まるのか終わるのか...何だかだるだると時間を過ごしていたら、ギルドメンバーに苦情言われて、サブはリングを外さなければならない状況に陥った。
サブ:吉田!よーしーだぁー!
吉田:うるさいな、ちゃんと見えてるよ
サブ:ギルメンが構ってくれないって怒ったんだよ(´;ω;`)
吉田:お前がオレとのPT崩さないからだろ?いい加減外してもいいんじゃね?
サブ:今週だけ外すとか!
吉田:いや、1回外したら消滅すんだろ。
サブ:(´;ω;`)
意味がわからん、自分の居場所大事にしろや...全く。
吉田:外すからな
サブ:
空打ち来たから切ってやった。
どや!!!
どうやら、サブは自分からPT解散するのが嫌だったらしいけど、良くそれで今までやってこれたなと逆に感心した。
そしてまた、オレは1人になった。
慣れてるけれどやっぱり、寂しさはあるもんで...サブが今何してるのかな?とか考えてしまうあたり相当アイツとの時間が楽しかったんだろうな。
サブの日課的に深夜の1時に落ちるからその後は、いつも1人だったけど、それともまた違う寂しさがあった。
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