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EpisodeⅩⅧ

鳥の鳴き声がピピピと聞こえてる。 横で寝転がったサブは、どうしようかと悩んでるのか、口を開かず雲を見ている。 仕方ない...よな。 「オレはお前をストーカーと思った事はないし時折ウザイけどそこまで嫌だとは思わないよ」 「は?」 え?それで考え込んでたんじゃねぇの!?オレの今の言葉返せ! 「なんでもない」 なんか変にから回ってる。 なんというか、この沈黙が微妙にオレをソワソワさせるんだよな。 「ストーカーされる方の気持ちの取りようってやつか」 まぁそうだろうな。ひどいストーキングならまだしも、あの程度なら許すやつも多そうだし、ましてやオレは嫌じゃないしな。 「元は一緒にレベ上げしてた仲間だったんだけど、あっちがイン時間減って俺と狩場変わったから、それからは狩りにも行かんでくっちゃべってるだけだしな」 あるあるだよな...そのレベルの差に、廃人扱いして自分がレベル低いのは自分がやらないだけなのに正当化しようとする。 誰も責めている訳でもないのに...だ。 「そうなったら、狩りに行くのは辛くなるしレベルが上がれば、狩場は難所しかないからな...」 「でも俺...吉田に追いつけない」 オレは仕方ないだろ。と言いたいが、詳しく話せないから黙っておいた。 しばらく愚痴を聞いてたら、呼び出されたらしくオレは解放された。 そんな事をしながら日々を消化していたある日オレは久しぶりに街に出た。 部屋が飽きるんだよ...一人でいるにしても何もない場所で黙ってストレージ眺めてるだけだからな。だから模様替えでもしようと街へ足を向けた。 食料に関してはほとんど困らないが家畜の世話は必要だし、寝てる時しかログイン出来ないから、起きてる時間は逆にどんなにやりたくても入れないんだ。 ゲームを入手出来てもアカウントが引き継げるかもわからんし普通にネットで流出してるMMOでも無いらしいんだよな。 まぁ、そこはオレにも理解できないから、考えるだけ無駄なんだというのを少し前に理解した。 と、まぁ...そんなこんなで買い物に出た。 最近はサブも忙しいみたいで、ほとんど会ってなかったから、ギルドに後で顔でも出そうかと思いつつ街を歩いていた。 大きな酒場食堂があり、大抵の奴らはそこで休息や情報収集をする場所だ。そこで一息ついた時だった。 “あのギルドマジで潰そうぜ” そんな不穏な言葉が耳に入った。 いろんな人がいるが、そういう会話は通常ならこっそりとするもんだが… オレは酒場で聞き耳を立てた。 その潰したいギルドメンバーの一人が、殺人(PK)に特化しているらしく、最近何度も襲われているそうだ。 人に殺されても貯めた経験値は飛ぶから、レベルの高い奴らはそれこそ、目も当てられないくらい酷いことになる。 ただフィールドは決められているから、そこに行かなければ良いだけなのだが、何せ経験値の高いモンスターが配置されているからギルドでもたまに、狩場として使うんだ。 隠匿の森と呼ばれるその場所は、行き道もPKゾーンなので狩場までたどり着けない人もいる。 (そもそもにその森に行く奴が、殺られるんだし殺られたくないなら行かなきゃいい...深く恨む必要ないだろう...) オレは溜息を付きながら、目の前に出された肉を摘んだ。 「でも、あのギルドも酷いよな、自分たちの独占だし」 あぁ...そういう事か。 ギルド単位で独占しているから、苦情も出るんだな…それにしても隠匿の森を自分のものにとか、どこのギルドだよ。 ぶちぶち考えてたら、ギルド名が聞こえて目を見張った。 「ながら」 その名前はオレと知り合った当初サブが、何かをしながら、ゲームするまったりギルドにするためにその名前を考えたんだ。 まさかその名前が出るとは。

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