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EpisodeⅩⅩⅠ
ともあれ集団といっても5人が固まってただけだったが、そいつらが納得いかなそうにオレをみるから、仕方なしに…
キン… ギギッ…
戦っておいた。あくまでもPK目的ではない。
ただ実力を知れと言いたいだけだ。
魔法も、弓も、剣も…とりあえず叩き落す。
周りがぜいぜいと息を切らす中、それでも負けるかと挑む人達に何か出来るか。
「もういいだろ?オレは帰るぞ」
剣を収めたが、それを狙って打ち込んでくる奴がいるわけで…
見事に当たらずに、ミスが出る。
「え」
さぞ必中(回避されないように上げるスキル)を強化したんだろうけど、残念なことに
オレには通じなかった。さっきまで剣同士でのぶつかり合いをしていたがこれが一番良かったのかもしれない。
驚いている人より更に装備がしょぼい奴もかかって来て、5人に囲まれると必中が上がるのだが
それでもオレにダメージは来なかった。
「わかったろ?それと、アイツはお前らの必中じゃ当たらないから」
それだけ言い残してオレは来た道を戻ったら…。
サブが立ってた。
あれ、オレこれ悪者パターン?
まぁいいかと、素通りしようと思ったら首根っこ掴まれたー!!!
「吉田さんは、どこいくんすかね?」
サブの顔が怖く見えるな…。でもオレは悪い事はしたとは思ってない。
「え?あー用事も終わったし帰ろうかと」
「こいつを殺すのが用事?」
あぁ。オレの名前今白(通常色)じゃなくなってたっけな…。
まぁオレはやってないなんて言うつもりも毛頭ないけど。
「目的はそいつだったからね、敵わない奴もいるって理解しないといつまでも人狩り続けるだろ?」
いくらギルメンを傷付けられたからって、サブもちゃんとこの事実を知らなければならない。
だからあえて訴えたら…思いの外オレの早とちりが露見することとなった。
「そうか。助かったよ…こいつギルメン(ギルドメンバー)ではなくて、ギルドを騙って陥れようとしてた奴なんだよ」
そう言うと、数人で支えてた男をズサッと前に押し出し、その勢いで倒れこんだ。
「ギルド名、よく見てみ」
サブに言われて、ギルド名をチェックする。
サブのギルドは「ながら」でも、良く見れば「ながる」という名前で登録されていた。
「あ」
思わず声が上がったよね。
参った、サブのギルメン管理能力について問わなくて良かった…。
「そ、俺のギルド名に似てるけど、うちの奴じゃないんだ。最近あちこちからクレームが入って、ギルメンに問い質したら、はれるやって奴が似たギルド名使ってPKしてるって聞いてな…まさか俺より先に吉田が狩ってくれるとは思ってもなかったけど、助かったよ」
そう言って、オレの頭を…なんで撫でてんだよこいつ。
「わかったから撫でるな!」
とりあえず手を払って、オレは自分のアジト…馬達が待ってる家に帰る事にした。
「んじゃ、そいつの処分は任せる」
そう言って帰還バインドで森の外に出て、家へと向かった。
なんか、疲れた。
家でごろごろしてたら、サブから通信が入った。
サブ>吉田ぁ!助かった、ありがとうな
吉田>そら良かった
サブ>なぁ、今からそっち行ってもいいか?
サブが来るだと!?オレは慌てて家の中を見回して、プッと噴出した。
自分チでもないのに、何焦ってんだよ。
そう言いながら、メッセージを送る。
吉田>いいよ
その返事をした途端家のドアがノックされてびびった…。
「サブ、いくらなんでも早す…」
と、ドアを開けばさっきの戦いでターゲットになったナナフシのリーダーが
家に来た。何度か話をした事もある奴だから、そいつがリーダーってのも
すぐに理解できた。
「吉田」
そう言って、オレの部屋へ足を進めるから、オレも仕方なしに中へと戻った。
パタンと戸が閉まり、振りかえると奴は頭を下げてオレを待っていた。
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