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EpisodeⅩⅩⅢ

 サブが不機嫌そうにソファーに座るから、とりあえずでヤギ乳渡してオレも隣に腰掛けたけど...無言。  何怒ってんのかオレにはわからないし、聞く気もないから黙ってたら、横からこれみよがしに深い溜息が吐き出された。 なんかめんどくさい。  言いたいことがあるなら言えばいいのに。ましてや中身は成人男子だぞ?何に対してそんなにアピールしてるのかなんて、コミュ症のオレがわかるわけないだろ。 「吉田...好きだ」 「は?」  突然過ぎて、思わず手からヤギ乳落としたら、消滅してしまった。 そして、えっと...こいつなんて言った? 「いや、もう隠すのも策略巡らすのも疲れたから、当たって砕けようかと」  えっと...ドウイウコトですかね? オレ、用務員に告られてんの?いやいや待て。違うぞ!コイツは好きな人いたはずだ!だったら、友達として...か? 「あーえっと、ギルド行かねぇよ?」  絆されて、加入とかマジでしないからな! 「そうじゃなく、吉田が好きだから、他の奴には取られたくねぇんだよ」  あーそっちか。焦ったわ。今流行りのBL展開かと一瞬思ってしまったじゃないか! 要はアレだろ?オレを他のギルドに取られたくないから、って事だよな? 「...お前言い方紛らわしいな。オレはギルド入らないしどこにも行かねぇよ」 「...あたっても、わかんないのか」  なんの事だと首をかしげたら、サブが... 一際大きなため息を吐いてオレの両肩に手を置いてジッと覗き込んで来た。  心臓が驚く程脈打って一体なんの騒ぎだと身体が驚いているのがわかった。 「あの、さ、サブさん?」  オレは何が起きたのかと、把握しないままに強く抱き締められてまたもや混乱。 これなんぞ!? 「吉田...前に気になる奴がいるとか、言ったのもしつこくギルド誘うのも、お前といたいからだっていい加減理解してくんねぇかな?」 ...えっと、コレはなんだ?告白か? 「待て待て!前に悩んでた、ロスる彼女は?」 「お前がロスるのが嫌なんだよ」  と、遠回しすぎじゃね? それにオレはリアルのイケメン用務員だって知ってるんだぞ?お前はオレを知らないだろ?そもそもに... 「オレ男...」 「カッコイイ男だよな?わかってる」  えっ!?わかってて?俗に言う...ホモ!? てか、そうじゃねぇ! 「えっと、オレにどうしろと?」 「多くは望まないよ、ただ一緒にいたい」  え、なんて答えりゃいいんだ...一緒にいても嫌ではないけど。 「追い詰めるつもりはない、ただ一緒にいたいだけだから」  オレは答えが出せなくて、ひとつ頭を上下させるだけだったけど、サブがそれをどう捉えたのかわからないままオレの頬にキスをしていつもの位置に戻った。  オレはポカーンとするしか出来なかったけど、サブは嬉しそうにはにかんでた。 「吉田...明日9時に来るから」  え、イン時間?    そう告げるとここでログアウトしやがった...オレは思わず脱力したよね。どういう事だ!?サブがオレを好きなのは、えっと...恋愛って事なのか?  呆然と部屋で色々思考を巡らせた。 カップルのリング取りに行ったのも、そのため?外したら怒ったのも? 「まさか!?...だよな?」  今オレに何が起きてるのかわからんくて...朝が来た。なんか思ったより考え込んでいたのか、起き上がると身体が重い。  若干息も上がってる気がしたが、滅多に病気なんてしないから、気にせず学校へ行った。  けど時間が経つにつれて、ヤバいなと判断し、保健室へ、そして早退。どうやら、熱が出たようで病気で風邪と言われて帰って来た。

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