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2-とりあえずメリ―クリスマス
「クロさん、どうして怒ってるんですか?」
マッドサイエンティスト集団、マッドネスの秘密地下実験施設にて。
Dr.クロ専用のラボの手術台に縛りつけられた海は涙ながらに彼に問いかける。
海を手術台に縛りつけるもの、それは、軟体触手生物だ。
ぬるりとした質感のそれはサッカーボールサイズのナマコのようであり、全身にイボイボイボ突起を生やしている。
長い前髪で双眸を隠した海の腹の上に乗っかり、ビリビリ服を破き、両手足をイボつきの長い複数の触手で縛り上げている。
細くなった触手の先で曝された素肌をちろちろと撫でられ、海は、首を窄めた。
「クロさん……」
手術台のすぐそばに立つ、白衣を羽織った、緩めた黒ネクタイ姿のクロは返事をしない。
トレードマークである黒縁眼鏡のレンズが頭上のライトを反射していて、どんな眼差しを浮かべているのか、海にはわからなかった……。
数時間前。
海は秘密の抜け穴を通って恋人がいる地下実験施設をこっそり訪れた。
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