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6-スーパーヒロイン見参!!

千年に一度この世に生れ落ちるという世紀末お助けスーパーヒロイン。 「わぁ、ヒロインだ!!」 魔界から呼び出した魔物と実験体をかけ合わせるなどして創り出したクリーチャーを街に放つマッドネスに、彼女は、果敢に立ち向かう。 「やぁね、ピチピチ小娘だからって調子に乗らないでよ?」 激ミニスカナースに網タイツ、危なっかしいピンヒールを見事履きこなしたDr.グラマラスは肉食陸生鮫を解き放つ。 勇ましく仁王立ちとなったヒロイン、急カーブを切って猛突進してくる鮫を。 アスファルトから引っこ抜いた街灯で迎え撃つ。 「食らえ、くそばばぁぁぁぁ!!」 明らかにグラマラスに向けて言い放つと振り被った街灯でホームランよろしく肉食鮫をかっきーーーーん。 哀れ、肉食鮫はオフィスビルの壁面にめり込んでずるずる落下していった。 「やだ~ばばぁって言われた~しょっく~」 「その言い草、古臭いから、おばさん」 ハンカチを噛んで悔しがるグラマラスのそばに立った見目麗しい眼帯少年、Dr.アイレスは、傍らでふわふわ浮遊するペットに命じる。 「コバエ姫、へし折ってごらん、クロウ?」 ふわふわしていた触手生物クロウはピエロのマスクをにんまり歪め、びきびきぃっと戦闘体勢に入るや否や、ヒロイン目掛けて飛翔した。 ずるずるぅっと産み落とされたぬめぬめ触手が小柄なヒロインの手足に一斉に巻きつく。 「こンのぉぉぉ陰湿根暗野郎ぉぉぉ!!」 明らかにアイレスに向けて言い放つとヒロインは渾身の力を込めて。 ぶちぶちぃっと触手を引き千切った。 「!!!???☆★☆!(;O;)!」 我が身を引き千切られたクロウは大慌てで華麗なる回れ右を決め、主人のアイレスの背中に隠れてしまった。 眼帯を血の色に染めてアイレスは悔しがる。 「あのちびぶす姫、むかつく……」 「マッドネスの面目丸潰れじゃあないですか、僕ぁ、情けないったらないですねぇ」 括られた長い銀髪と血塗れ白衣を靡かせてDr.銀は嗜虐的唇をフフンと吊り上げる。 「さぁ、○○○と×××をモチーフにしたクリーチャー、どうぞその身でご賞味くださいな、暴れん坊お姫様?」 粘液を纏った、正視に耐えかねる卑猥なクリーチャーがヒロインに向かって白濁汁を噴射した。 ヒロインはオープンカフェのパラソルを翳してすかさず防御し、そして、怒り狂った。 歩道に無断駐輪されていた自転車を一瞬にして積み上げ、森羅万象授かりし力で着火し、ツインテール振り乱し、燃え盛るアイテムを卑猥クリーチャーにぶん投げる。 「くたばれぇぇインポ男ぉぉ!!!!!」 たちまち燃え上がった卑猥クリーチャーを見、銀は肩を竦めた。 「僕ぁ、別にインポテンツじゃありませんがねぇ」 「いつにも増して荒れてやしないか、お前の姉さん」 「……三時のおやつを食べ損ねたからです」 「……ああ、なるほどな」

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