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25-銀の飼育日記⑨

<ビル街にドラゴン出現そして忽然と姿を消す!!> その話題で朝刊もテレビもネットもどこもかしこも持ちきりの朝。 「ふえ……ドラゴン?」 「空姉ちゃん、九時前に早寝してたから知らなかったんだね」 朝ごはんの香りが目覚ましとなって起床してきたヒロイン。 健やかな双子の姉に弟はお味噌汁を注ぎながら、昨晩起こった出来事を教えてあげるのだった……。 日当たり抜群のペントハウス。 ほぼ全面ガラス張りの瀟洒なリビング。 無駄に数の多いソファの一つで銀はみるくの揺り篭代わりを自ら担っていた。 「うみゃ……」 人で言うならば乳幼児の体型、ふわふわした髪から突き出た黒い猫耳が最っ高にキュートだ。 襟巻と半纏の中に埋もれてすやすや眠っている。 銀は長い銀髪をさらりと肩から滑らせて安らかな寝顔をずっと眺めていた。 貴方が無事でよかった。 (街はとんだ災難を被ったが) だけど、どうしてまた、小さくなってしまったのでしょう。 怯えて、混乱して? 防衛本能が働いて身を守るために縮小サイズになった? 「貴方はどこまでも謎めいた存在ですねぇ、みるく」 「君もまたミステリアスだね、しろがね?」 銀は全く彼の気配を察することができなかった。 するりと両腕が左右から伸びてきたかと思うと、緩やかに、背後から抱きしめられる。 「君の謎を一つ一つ解き明かしていきたいな」

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