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「ままー」
女装した銀はどこからどう見ても女性だった。
だからみるくが「まま」と連呼しても、なーんにも違和感がない。
「おばさーん」
グラマラスは笑った。
銀の膝上に座るみるくを撫でながら「えろおやじってこの子のパパ?」と銀に尋ねた。
「ええ」
「迷子になっていたドラゴンが保護されて一安心だけれど。でもなんでまたちっちゃくなってんの?」
「よくわかりません」
「母胎回帰? 帰巣本能? あんたに抱き止めてもらうため?」
思いも寄らなかったグラマラスの発言に銀はしっとり黒味を帯びた睫毛を意味深に震わせた。
「そうなんでしょうか」
「さぁ、どうかしら、ねぇ?」
「うみゃー」
「だけどあんたに女装までさせた、その、えろおやじ? みるくパパ? 地上に引き留めて、今すぐアジトに帰らせるつもりはないってこと?」
「嫁になれとせがまれましてねぇ」
「ぶはっっ」
「にゃはー!」
「ああ、今のは面白かったですねぇ、ねぇ、みるく? おばさん、おばあちゃんみたいでしたねぇ」
「嫁? どんだけえろおやじなのよ、そいつ。顔、見てみたいわぁ」
「しろがね! アマラントス!」
なんともグッドタイミング。
長々と続く買い物に付き合いきれずに黙って店に置いてけぼりにし、場所も告げずに来ていたというのに、件のイヴレスが銀達のいるカフェテリアへやってきた。
グラマラスにも負けない数の紙袋に靴の入った箱まで器用に一人で抱えて。
「ひどいなぁ、振り返ったらいないんだもの」
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