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「外だから? 誰もいないから大丈夫だ」 「で、でも……んくっ」 香り豊かな白樺の根元、クロに背中から抱きしめられている海は身を捩じらせた。 実験解剖を繰り返す、繊細な処理を難なくこなす長い指先は海の両足の狭間に。 艶めく髪に頬を寄せ、肌の熱が上昇していくのを体伝いに噛み締めながら、そこに集中して愛撫を施す。 クロの施しは、時々、まだ小さな海の許容範囲を超えそうな瞬間がある。 「ゃぁ……っぁ……クロさ……ん」 「どうしてだろうな、海」 「ぁ……っぁ……っ……?」 「お前のことになるといつも自分を制御しきれない」 「……クロさん」 白衣に包まれた両腕の中で海は顔を上げ、少々きつい体勢になるものの、背後にいるクロへ視線を向けた。 黒縁眼鏡越しにクロと目が合う。 クロは、何故か寂しそうに、小さく笑った。 「一緒にいるのに寂しいなんてどこまで飢えれば気が済むのかな、俺は」 木の上にとまったおたまが二人をこっそり見下ろしていた。 「……僕だって……寂しいとき、あります」 「俺はいつも寂しい」 「ぁ……っ、ま、待って……っ」 クロの手がより愛撫を深めてきた。 濡れかけてきた先端をくちゅくちゅ鳴らし、透明な雫をもっと強請る。 幼さの残る隆起を掌で包み込んで上下に撫で擦る。 柔な肌をおもむろに食み、微かに、そっと、湿らせて、噛んで。 「クロ、さ、ん……っぁっぁ……ん」 「この世界を壊したら海ともっと一緒にいられるかな」 「え」 クロは海にキスした。 「俺がマッドネスだってこと忘れるなよ、海?」

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