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第十三夜
「それじゃあ名前を考えよう。ハロウィンの夜におまえと出会ったから……ジャックはどうだ?」
「ジャック……?」
さすがにオバケカボチャと同じ名前ではかわいそうかと思い直した直後、彼は耳をびょんっと立て、起き上がって「ジャック!」と繰り返した。
シーツの上で飛び跳ね、レイが作った不格好なボロ人形を高い高いし、抱きついて頬ずりしてくる。
彼が名前を気に入ったのは一目瞭然だった。
レイの心にも喜びが満ちる。
この子が二度と悲しい思いをしないように、できる限りのことをしてやろう。
そして独りで生きていける年頃になったら、術をとき、人間に戻してやらねばなるまい。
それが呪をかけた者の責任だ。
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