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第十四夜
* * *
「レイ見て! カボチャ貰ってきたよ!」
ジャックが街から帰ってくるなり「ふう~窮屈だった」と、しまっていた耳と尻尾を外に出した。
手には大きなジャック・オー・ランタンと、市場で交換してきた布や食材の入ったカゴがぶら下がっている。
満月の夜以外なら、ジャックは完全に見分けがつかないほどうまく人間に擬態できる。
今日もレイの包帯を買い足すため、獣の証を隠して街へ出かけていた。
「このカボチャうまくくり貫けたでしょ? エマに手伝ってもらったんだ」
ジャックが得意げに胸を張る。
エマとは彼の話によく登場する少女のことで、街へ降りるたびに会っているらしい。
彼はもう立派な大人だ。仲の良い女性もできた。
レイさえその気になればいつでも人間に戻してやれる。
もう呪いをといてやるべきだと、良心がささやいた。
「明日はハロウィン祭だね。レイと出かけるのが楽しみで待ちきれないや!」
「ああ、私もだ」
歩き回っていたジャックをいたわるように撫でてやると、腰を引き寄せられ、唇をついばまれた。
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