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第十六夜

「そちらは?」  突然水を向けられ、とっさにうそをついた。 「私は……さっき彼に話しかけただけの独り者だ。私のことは気にせず、二人でダンスでも踊ってくればいい」  今初めて会っただけの相手だと主張するレイに、ジャックが目を見開く。 (そんな顔をするな。いいから楽しんでこい)  目配せすると、不服そうに眉を寄せ、ジャックはエマの手をとった。 二人で広場の中央へ向かい、愉快で不気味なアコーディオンの音色に合わせて、ステップを踏み始める。  ジャックの腕が華奢な腰を軽々と支えた。 かわいかった自分だけの獣はもういない。 見えない境界線の向こうで、新しい未来を作り始めている。  早く息の根を止めてくれ、と呪いのアザに願ったとき、レイの背後がにわかに騒がしくなった。 酔っ払い同士が喧嘩を始めたらしく、腕を掴み合っている。 言い争いの声は激しさを増し、おさえきれなくなった男が、手当たり次第に周囲のものを投げ始めた。

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