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第二十一夜

諭すように言うと、ジャックはすっかり牙のなくなった歯を食いしばった。 「誤解ってなに? レイはどうして俺を人間に戻したの? 俺はレイが大好きなのに、レイはそうじゃなかったってこと? レイも……俺のこといらなくなった?」  成長した体を震わせて、ジャックが涙を浮かべている。こんな風に泣いている姿はほとんど見たことがない。説明もなく突然放り出されたのだから、困惑するのも当然だ。  彼の幼少期の傷をえぐってしまった。今度こそ幸せになって欲しいと思うなら、最後は彼を傷つけない方法で終わりにしなければ。  レイはジャックの手を取り、そっと口づけた。 「ジャック、私だっておまえがかわいくて、愛おしくて仕方がない。おまえがいてくれて毎日が夢のようだった。でも後悔もしていた。おまえの承諾なく呪いをかけた私を、恨んでいないのか?」 「どうして恨むの。俺レイのこと大好きって毎日言ってるよ。ねえレイ、今の、愛おしいって、愛してるってこと?」

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