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第95話 ラグの上

 触れ合った瞬間、そこがトロリと火にあぶられてたロウソクみたいに蕩けた気がする。すごく熱くて、ゾクゾクした。熱の塊みたいな青のが、俺の奥のところに押し付けられて、そのまま、ズブズブって。 「あ、あっ、青っ、ン」 「みつ」 「んふ、んんんんんんんっ」  身体の中心を割り開いて、抉じ開けていく。熱が俺の中に突き刺さった瞬間。全身がぎゅうって力を込めて、縮こまって、爆発した感じ。 「んんっン、……んんんっ」  大きく開いた脚の間にいる青と繋がった瞬間、達してた。 「み、つ」 「あ、ウソ……」  青の、熱くて、おかしくなりそう。 「みつの中、気持ち良くて、おかしくなる」 「あっ、あぁっン……ン、ぁ、ダメ、俺、今、イった」 「うん」 「あ、ひゃあっ……ン、青、いじわる、だっ」  まだ射精直後で、ゴム越しじゃない熱の塊みたいな青にきつくしゃぶりついてる俺の中を掻き分け、奥をついてくる青のが気持ち良くて、なんか、ずっと、イってるみたいな感じなのに。一番騒がしく踊ってる心臓の近く、乳首に歯を立てるなんて、いじわるだ。 「やぁンっ」  歯を立てて、ツンと尖った先を痛いくらいに齧った後に、そんな、優しく舐めたりしないで。ぷっくりしたところだけじゃなくて、その周りも全部舐めて、吸って、愛撫しないで。 「やぁ……気持ち、イ」  乳首を口でたくさんされながら、奥も孔の口も中、全部を生で突き刺さるペニスに、青の硬くて熱いペニスに擦られて貫かれて、お腹が熱い。きゅうきゅうって絞り上げるように収縮して、おかしくなりそう。 「あっ、あんっ」  声、出る。青に突き上げられる度に気持ちよくて、声が我慢できない。 「青っ」 「みつ、中、止めらんなっ」 「あぁぁぁっ」  深いところだけじゃなくて、前立腺を指よりも太いもので押し潰すように擦られて、お腹の底が青欲しさにきつく締まって、たまらなくて、汗ばんだ首筋に唇を押し付けた。 「みつ」  抱っこされながら、俺も自分から抱きついて、揺さ振られてる。青の腰が打ち当たる度に気持ち良くて。 「あ、おっ」 「?」 「青が俺の中にいるの、すごい、嬉し、ぁっひゃあぁぁっン、そんな、奥に」  青しか届かない奥に来てくれて、中が青でいっぱいに埋まるのが嬉しくて、幸せで、きゅううってしがみついた。腕で、足で、身体全部使って、青を俺の一番奥に迎え入れて、俺は青の一番近くにいける。 「気持ち、イ、よ」  突き上げられる度に甘い音がする。甘くてやらしい、秘密の音。 「青の、熱くて、硬くて、ぁ、あぁっ」 「みつの、バカ」 「んんんん」  舌を差し込まれて、自分からも積極的に絡ませて、青の唾液を飲んだ。唇が離れる瞬間、ちゅぱ、なんて、ちょっと恥ずかしい音がして、中にいる青を締め付けてしまう。それがすごく気持ちよかったのか、俺の上に覆い被さって、熱い溜め息を吐く青が「ちょっと」って焦って、怒ってた。 「中、がいい」 「み」 「青、俺の中で、イって」  たくさんエッチした。そのどれも気持ち良かったけど、これは気持ち良くて、幸福感すごくて、蕩けて泣いてしまうほど幸せだ。 「青、お願い、青が欲しいんだ」  セックス、してる。 「みつ」 「あ、深っい」 「みつっ、好きだよ」  今、俺たち、すごく幸せなセックスをしてる。 「あっ、あ、あぁっ! 青っ」 「みつ、好き」  打ち付けられる衝撃にずり上がる。ラグの上をズン、ズンって、突き上げられる度に上がって、ラグに擦れる背中すら気持ちイイ。  ねぇ、青、俺、ずっとここで泣いてたんだ。青のことを好きな気持ちはドンドン大きくなるのに、肝心な本人には伝えられなくて、「好き」をあげることも、もらうこともできなくて、苦しくて、切なくて、涙にして外に出すのに、出したそばから溢れてくる。 「あぁっン、ぁお、そこ、もっとして」 「みつ」 「あ、ひゃぁっ」  溢れても溢れても、もっと好きは膨らんでった。 「青っ」  抱きついて、抱き締められて、一番深い奥で繋がってる。「好き」が繋がって、くっついて、ぐちゃぐちゃに掻き混ざって、蕩けて、甘い甘いスイーツみたいに熱で膨らんで。 「みつ」 「青、一緒に、イこ」 「みつ、すごい、好きだよ」  かぷりと食らいついて、いっぱい食べて、満たされていく。 「ね、青」 「?」  カッコいいなぁ。ズルいよ。そんなカッコいいだけじゃなくて、俺の中ですごく気持ち良さそうに眉しかめてさ、ドキドキする。小さい頃からずっと隣にいるのに、今だってこんなに近くにいるのに、こんなにカッコいいんじゃ、慣れる暇もない。  腰を止めず、奥を何度も突き上げてくる青を受け止めながら、カッコよすぎる人の頬を両手で包み込んだ。 「み、つ?」  見つめたら、チョコレート色の瞳の中に俺が映ってた。一緒だ。俺の中、奥深くに青がいて、青の中にも俺がいる。  君の一番近くにいきたかったんだ。誰も来れないくらい近くにいって、青のこと抱き締めたかった。ずっと、このラグの上で泣きながら、そればかりを願ってた。 「大好きだよ」  君にキスしたかったんだ。 「あっ……あぁっ」 「みつ」 「あ、ンっ、キス、して、青」  激しく突かれて、突き上げられてどんどん高いところへ、ふたりで一緒に。 「あ、んんんっ! ン、んっイくっ、青、も、イっ」  誰より大好きだよ。青のこと、ずっと、一生変わらない。 「あ、おっ、青っ」 「みつ」 「あ、んんんんんんんっ」  深い口付け。深く、奥に突き刺さる青の切っ先。  抱き合って繋がって、ふたり一緒にイったら、ぎゅっと縮こまるんじゃなくて、高くて白い大空に飛び上がるような浮遊感に慌てて抱きついた。 「っんんんん!」  中で弾ける熱、青が俺の中でイった。それも気持ち良くて、繋がれてることも気持ち良くて、キスも何もかも嬉しい。  ねぇ、青、今、繋がってひとつになってるから、きっと伝わっているだろうけれど、口にしてもいい? すごく言いたくて言いたくて、でも何度も嗚咽で押しとどめて我慢してたんだ。この一言を―― 「青のこと、大好きだよ。一生、青だけが大好きだ」  ずっと言いたくて仕方なかったんだ。

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