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ケモ耳SS 3 にゃ、気持ち

 すごく悪いことをしてる気分だったからかな。  学校で、青がいつも着ているニットを下に敷いて、いつもは見ることのあまりない天井を見上げてることにドキドキしたから、かな。 「ン、っんん、んふっ……ン」  にゃあ、なんて猫の真似をして鳴いてみた。そしたらすごく恥ずかしくて、顔が熱くなったから誤魔化すようにキスをした。俺のキスに返ってきた、青のキスは、口付けっていうよりも。 「んんっ、んふっ……ふぁっ……ぁ、ンくっ」  食べられてるみたい。貪られるように口の中を乱されて、擦れ合う舌の感触にゾクゾクが増していく。お腹の底のところが、たまらなく切なくなる。それをわかってるみたいに、青に制服越しに股間を撫でられて、背中がビリビリした。身体が弓なりにそって、揉まれる度に腰が浮いてしまう。まるで、青の掌に擦り付けてるみたい。 「ぁ、やだ、青、恥ずかしいっ」  顔、隠したい。そう思ったのだって青には筒抜けで、すぐに手首を捕まえられてしまった。そして、首筋にキスマークが残るような口付けを落とされる。きつく吸われるの弱いんだ。いつも優しい言葉をくれる、食べるのが大好きで、少し厚みのある無邪気な唇が俺の肌にちょっとやらしい痕をつけるって、なんか、妙に感じちゃって。  声出ちゃうんだ。  それを知ってるのに、青はいつもその声を聞きたがる。甘くて可愛いお菓子みたいにごちそうなんだよって言って、欲しがる。  そんなキスは首筋から乳首、そして――。 「今日は、俺がしてあげる」 「え? みつ?」  いつもだったら、青のキスがを全身に受けながら指でトロトロになるまでほぐされるけど。 「ど、したの?」  いつもと違うことに青が目を丸くしてた。 「みつ?」 「……さっきの」 「?」 「うーちゃん……」  自分のことだけれど、青が浮気なんてしないのわかってるけれど、でも、胸がチクチクした。青の隣に女の子がいるとクラスの男子が思ってることすら不服だなんて、心が狭いけど。 「自分にヤキモチ」 「……みつ」  青の全部が俺のだって、感じたい。 「だから、俺に、させてよ」  独り占めしたいんだ。だって、俺は女の子じゃないし、女の子になれないから、だから、幼馴染の俺のまま、青のここと気持ち良くさせたい。  自分の指が自分の中をまさぐる違和感。 「はっあっ……ぁ、ンっ」  どうしよう。青にいつもしてもらってる通りにしてるはずなのに、青がしてくれるみたいに気持ち良くなれない。 「あ、おっ」 「うん。みつ」  いじってるところを見られてる。しかもここは学校。だから緊張してるのかな。中が指にすら強張ってるのがわかる。 「みつのここ、俺が触ろうか?」 「っ」 「みつ」  いやなんだ。だから、目を閉じて、指にだけ集中するように気をつけながら、中をまさぐる。いつもしてくれる青の指を思い出して、同じように動かして。 「みつ」 「ダメっ」  触っちゃダメって首を横に振るのが精一杯。手伝わないでよ。今日は俺がしたいんだ。青のこと襲いたい。そして、襲われた青はすごく気持ち良くて、そんで。 「みつに触らせて?」 「っ」 「ね?」 「だ、めっ」  首を横に振り続けた。  そんで、俺のことだけしか、ずっとずっと好きじゃないまんまでいて欲しい。だって、もう俺たちは高校生じゃなくなる。学校が変わる。周りの友達も変わる。そしたら、青のことを好きな女子がまた新に現れるだろ?  俺たちはずっと一緒――そう思ってたって、周りが変われば、どこかで何かが変化するかもしれない。保育園から小学校に上がった時がそうだったように、高校から専門になって、環境が変わって、そしたら別々の人間なんだ。気持ちが離れることだってあるかもしれない。いつかリアルに「うーちゃん」が現れるかもしれない。 「みつ」 「! ちょ、キスっダメって」  青のこと好きな可愛い女の子に、青だって揺れて、傾いて、俺から――。 「みつのこと好きなんだ」 「っ!」 「だから、触らせて?」  俺から離れちゃうかもしれないじゃん。  そう思ったんだ。うーちゃんを俺以外の誰かって想像してるクラスメイト。誰も俺と青が付き合ってるなんて思いもしない。一部の人しか知らないことで、普通は、一般的には、青は女の子と付き合うって、「うーちゃん」と付き合ってるって、そう思う。どんなに青の隣に俺がずっといたってさ。 「襲ってくれるの嬉しいけど、でも、みつが気持ち良さそうじゃないのなら、やだよ」 「……」 「ね? みつ」  離れてなんて欲しくないから、青に俺で気持ち良くなってもらいたくて。 「ね、俺、みつの身体で気持ち良くなりたいんじゃないんだよ?」  必死に俺の中でもがいてた指。ひとつも気持ち良くなくて、なんで? って迷子になってた。 「みつと、一緒に気持ち良くなりたいんだ」 「……」 「触ってもいい? みつ、あのね……」  みつの身体は、ここが気持ちイイんだよ? 「あっ……あぁぁっ」  そう言って、青の指が少しだけ俺の中に入ってきた。俺の指を押して、中をまさぐって、どこかを少し強く押す。 「ひゃああああっンっ」 「ここ、してみて? 柔らくうねるから」 「あっ」  そして、青の指がいなくなって。 「あ、ンっ……ンっ、んんっ、ぁ、ウソ」  俺は甘い吐息を零しながら指を動かしてる。それを、手をついて状態を起こした青に全部見つめられてる。 「はぁっンっ……ン」 「押したり、擦ったりして?」 「あ、あぁっ、ぁっ」 「みつ」  ウソみたいだ。さっきまで違和感しかなかった指。自分の指が自分の中をまさぐってるだけの「行為」に快感なんてこれっぽっちもなくて、熱くならなくて、焦れば焦るほど、強張って、俺にはそこは見えないから余計にわけわかんなくて。 「みつ」 「ぁっ、や、何、これ」  ゾクゾクって、なんか鳥肌が立つほど感じた。自分の指に、青の視線に、声に、反応して、内側が今、すごく柔らかくしゃぶりついた。 「なんでっ俺っ」 「だって、セックスだもん」 「……」 「俺たちが今してるの、セックスだもん」  そう言って笑う青にキスされて、中が、きゅんって、欲しがった。青のが欲しいって、今、すごく蕩けた。

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