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ケモ耳SS 4 ……にゃあ
青とするから全部が気持ちイイ。ほぐすのって、そうだった。セックスの一部だった。
「も、いい、青の、これ、入るよ」
青の首に腕を回して、キスをしながら、膝立ちのまま身体をもっとくっつけた。
「青、のは? 平気?」
「えー? 俺、ずっとおあずけだったのに、それ訊くの意地悪だよ」
「ごめん、だって」
「超絶景だった」
「……バカ」
跨って後ろへ手を伸ばし、青のペニスが入るようにって柔らかくするところを眺めていた青が何度か喉を鳴らしてたのを見た。それを見たら、またもっと欲しくなって、好きも気持ちイイも増して、指を内側が締め付けてた。
俺は青がゴムをつける邪魔をしないようにぎゅっと抱きつきながら、ゴソゴソ準備をしている気配に頬が熱くなる。密着して、心臓のところに青の耳があるから、きっと忙しない鼓動はまる聞こえのはず。トクトクトクって、青とこれから繋がることに期待して小躍りしてるって知られてしまう。気恥ずかしいけど、いいや。
「青……」
一生、青にしかきっと見せないから、いいや。
「みつ、そのまま、腰、落として?」
「……ぁっ」
触れたのは青のペニス。熱くて少しびっくりして腰を浮かせたけれど、ウエストを掴まれて誘導された。そそり立つ青のをお尻のところで飲み込んでいく。ゆっくり突き刺さっていくところを青に見られてる。
「みつ」
「あっ……あぁっ……」
ずぶずぶって、指なんかじゃ比べられないくらいの質量が俺の中に入ってくる。
「あぁぁあああっ」
「っ」
自分の体重も使って根元まで飲み込んだ。ものすごい圧迫感。ものすごい存在感。それがたまらなく愛しくて、いつも青とする時、胸がいっぱいになるんだ。泣きそうになる。
「あっ、あぁっ」
「みつの、中、あったかくて、気持ち、イイ」
「青っ、の、大きいの」
「奥、イイ?」
絶え間なく揺さ振られて、声が我慢できそうにないから、唇を噛んで、コクコクって小刻みに頷いて答えた。
さっき自分の指で擦ったの、前立腺のところを青のペニスで擦り上げられるとたまらなかった。背中に快感が走って、自然と仰け反ってしまうから必死に首にしがみ付いて。
「あぁぁ、ンっ、あ、ダメっ」
深く突かれる度に揺れる自分のペニスが恥ずかしい。
「青、も、無理、声出ちゃう」
「これ、咥えてて」
「ン」
お尻のところで激しく出し入れされながら、自分から乳首への愛撫をねだるみたいに、制服を噛んで胸を晒して、腕でしがみついて。
「は、ぁっ、そんな締め付けないで、みつ、俺も、限界」
「ン、ぁ、俺も、俺、もっ、も、イくっ、イくっ」
「一緒に、しよ?」
青の乱れた呼吸、喘ぎを噛み締めてもどうしても零れる自分の吐息、それと繋がった場所が立てる濡れた音。
「ぁぉ……」
「っ」
キュンって締め付けた。青のペニスをきつくしゃぶって、腰に指が食い込むほど激しく身体を掴まれながら、イった。
「あっ! …………っ! はぁっ、っ」
ゴム越しでもわかるくらい、青が俺の中でビクンビクンって跳ねながらイってる。
「あ、おっ……」
「……すごい、気持ちイイ」
「うん、俺も」
「やばいね……あは、すごいとこで、俺ら、しちゃったね」
学校で最後まで、なんてしたことない。
「でも、みつ、可愛いんだもん」
「可愛いわけ…………ぁ」
「みつ?」
忘れてた。俺、そうだ。なんか途中から、自分の身体をほぐすことにいっぱいいっぱいで忘れてたけど、これ、俺の頭にさ、今。
「もしかして忘れてた? 猫耳」
「!」
うん。かなり、忘れてた。だってそれどころじゃなかったし。
「もしかして、今、思い出して、恥ずかしくなってる?」
「……」
恥ずかしいでしょ。だって猫耳つけたまんま青に跨って自分のお尻いじって。見つめられて感じて。繋がったら、繋がったでしがみついて、だって、俺、イく時、制服口に咥えてたし。ずっと、それ黒猫のまんましてたなんて。
「一生の思い出にします。ごちそうさまでした」
「ばっ!」
一生のって、一生って、そんな長い間、そんなことを覚えてなんていられないじゃん。それに、まだ俺たちは高校生で、専門行って、お店のコトだって、家族のことだって、大人になったら、色々あるのに。
「一生だよ。ねぇ、みつ」
「……」
「俺の好きは変わらないから、色んなものが変わるだろうけど、高校生じゃなくなって、友達も増えたり減ったりするかもだけど、俺の好きは」
真っ直ぐ見つめる瞳の真剣さに、胸が高鳴る。
「俺の好きは、ずっと、一生変わらないから」
「……」
「安心して、でーんとかまえて、俺のこと独り占めしててね?」
「!」
笑いながら、ちゅっとキスしてくれた。挨拶のキス。おはようだったり、おやすみだったり、行ってきますだったり、これからも宜しくお願いします、だったり。
「みつのぜーんぶ、一生俺も独り占めするからさ、あんな姿も、こんな姿も、あ、あと、そ、そんな! あ、あぁっ、な姿も」
それ、どんな時だよ。俺、青の脳内で何やらかしてるんだよ。もう。
「姿……ぁ」
「青? どうかした?」
「ああああああ!」
「な、なに?」
「忘れた!」
何かと思った。ものすごく残念そうに叫ぶから。俺はとてもつもない忘れ物をしたのかと。
「これ……使うの忘れてた」
「……はぁ?」
青が半泣きになりながら差し出したのは、尻尾。脱いで近くに置いていたズボンにくっついている取り外し可能で手錠にもなる万能? な尻尾。それを活用し忘れたって、そんなことで本気でがっくり肩を落とし、項垂れてしまう。
「あぁ、めっちゃ見たかった」
項垂れた青の頭のてっぺんが見える。ふわふわで優しい触り心地の髪を撫でて、自然とキスをした。
「みつ?」
うん。俺も、変わらない。
「また、俺のこと、いっぱい可愛がって……にゃあ」
「…………」
俺の中にある「好き」もずっと変わることは、ないよ。
「ちょっ!青! 鼻! 鼻から!」
「……」
「ちょっと、制服の垂れるから! もう!」
俺の猫コスに悶えて、大興奮のあまり鼻血を出す、モテイケメン高校生らしからぬ青も、カッコいい青もどんな青でも、俺を一生大好きなままでいるから。
「あ、島さんからメッセージ来てた」
明日から三日間、ケーキ屋さんは一年で一番忙しくなる。明日は早起きだから、そうだ、おにぎり作って持っていってあげよう。
「ほえ? なんだって?」
学校の帰り道、真冬で真っ暗で、街は明日からのクリスマスを待ち侘びてるのかやたらと静かだ。まるで、すでにサンタが来るを自宅待機してるみたい。だから俺たちはくっついててもいいかなって。ひとつのマフラーをぐるぐるに巻きつけて歩いてる。
「……」
「みつ?」
ぎゅうぎゅうにくっついてるから、覗き込もうとすれば簡単に、スマホの画面も見えちゃうわけで。青はそういうの覗き込んだりしないけど、でも真っ暗な夜道、煌々と明るいスマホの画面、そして沈黙の俺。ちょっと俯けば、どうしたって見えちゃうんだ。
「あはは。島さん、どっちの意味でいってんだろ」
「もう! 青は笑ってる場合じゃないだろ! 絶対、わかってるって! 誤字なわけないじゃんか!」
「あははははぁ」
――精なる夜をお過ごしください。
――あ、誤字った。てへ。とにかく、メリークリスマス!
清らかな星たちが瞬く、その下で、青の能天気な声が今頃クリスマスプレゼントを準備に忙しいサンタにも聞こえるくらい、キンと冷えた冬空に響いてた。
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