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保健医

俺はこの人、何となく苦手だ…… 早く保健室から出たくて、ふらつく頭を無視して言った。 「俺、もう大丈夫ですので教室戻ります」 「そう? まだふらふらしない? ゆっくり休んでていいよ」 あ…… 急に立ち上がったせいか、やっぱりフラついて倒れそうになってしまった。でも咄嗟に先生が抱えてくれる。 「ほら言わんこっちゃない。無理しないの!」 そう言って、先生は俺の髪を撫でながら優しくベッドに寝かせてくれた。 なんだろう…… この保健医、さっきからボディタッチが気になる。パーソナルスペースが近すぎるんだよ。 「はい、さすがに学校では襲わないからね、安心して休みなさいな」 は? 学校じゃなかったら襲うのかよ! やっぱり俺はこいつが気が気でなく、ゆっくりなんて休めなかった。 俺は保健室からやっとの事で教室に戻る。 すぐに純平の姿が見えたので、お礼を言いに純平のもとまで急いで走った。 「純平! 俺のこと運んでくれたんだってな。ありがとな」 お姫様抱っこの件は恥ずかしいのであえて言わない。 「お、もう大丈夫か? びっくりしたよ! ぼんやりしすぎだって。まあ俺もまさか野郎をお姫様抱っこするとは思わなんだ」 「……すみません」 純平は、ぎゃははと豪快に笑って俺の肩を叩いた。 「気にすんなって! かなり注目されてたけどな 」 あぁ…… やっぱりね。 「ところでよ…… 」 急に声を潜めて純平が深刻な面持ちで俺に顔を寄せてくる。何か内緒の話かな? と、俺も純平に合わせて顔を寄せた。 「お前、その……大丈夫だったか?」 「……? 何が? もう平気だぞ?」 「いや、そういうことじゃなくてね……あの保健医、お前に何かしてこなかったか?」 少し言いにくそうに純平がそう言った。 ああ、そういう事ね。 「あの先生、もしかしてそっち系?」 「んん、噂ね、噂…… なかなかイケメンだし、あの白衣と雰囲気がエロいんだよ。男子校だしさ、ああいうのモテるんだよな」 さっきまでの高坂先生の態度を思い返す。なるほど、自信たっぷりな感じだったな。そもそもあの保健医だけじゃなくて、そんな雰囲気の奴もチラホラいるのはやっぱり男子校ならではなのか…… と俺は思った。 ま、俺には圭ちゃんがいるから関係ないや。

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