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きっと同類 保健医高坂のお楽しみ

保健医ってさ、学校にもよるんだろうけど結構暇なんだよ。 保健室には生徒がひっきりなしに来るんだけど、その殆どが俺目当てだったり単なるサボりだったり、悩み相談。俺目当てで一丁前に口説いてきたりするけど俺のタイプの人間なんて皆無だし、昼寝をしに来るだけの奴も邪魔くさくてしょうがない。悩み相談は大体が恋愛絡みだから面白いっちゃ面白いんだけど、やっぱり怠いな……と思ってしまう。 本当に具合が悪い奴なんて週に一回か二回くらいなんじゃないかって思うよ。 つい最近、お姫様抱っこで運ばれて来た鷲尾君。久し振りに興味が湧いた。こいつはモテるだろうと思わせる風貌。そしてきっと俺と同類。 直感でそう思った。 お友達の渡部君が言っていた通り、毎日見ていても悩みでもあるのか、ぼーっとしていることが多いみたいだ。 好きな奴でもいるのかな。この多感な年頃、恋に悩むのはよくあること。でもこの子はきっと誰にも打ち明けられない辛い恋をしているのだろう、と俺には容易に想像できた。 鷲尾君をこんなにもぼんやりさせちゃうのはいったいどんな男なんだろう? と、少し興味が湧いてきた矢先に、俺の行きつけの喫茶店でその鷲尾君がアルバイトをしているということを知った。 イケメンばかりを雇うと噂のこの店のオーナー。やっぱりそれは間違いじゃなかったらしい。 ちょっと楽しくなってきたと、俺は浮かれて鷲尾君に話しかける。毎日来ようかな……と結構本気で言ったんだけど、凄い拒絶の目を向けられてしまった。 きっと本能で俺のこと警戒してるんだろうな…… 別に危害を加えようなんて思ってないんだけどね。

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