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派手な奴?

圭ちゃんから久々に連絡が入った。 『髪、こういう風にしたいんだけど、どう思う?』 メールの文と添付されてきた外国人モデルらしき画像。かっこいいけど、かなり赤い髪色だしちょっと短い。でもこのモデル、圭ちゃんと雰囲気が似てるから間違いなく似合うだろうな。 『似合いそうだね。 いいと思うよ』 簡単にそう返事を送るとすぐさま『やった!ありがとう』と返信が来た。いつも返信が早い圭ちゃん。それだけでも俺は凄く嬉しかった。 今日も学校帰りにアルバイト── 帰り支度をして、純平と一緒に下駄箱へ向かった。もたもたと靴を履いていると、先に歩き始めた純平が足を止め、俺を振り返った。 「なんかさー、門のとこに派手な奴がいる。なんだろう? ちょっと怖くね?」 派手な奴? 靴を履きながら前方へ目を向けると、そこには赤い髪をした圭ちゃんが立っていた。 「あ! 圭ちゃん!」 俺は嬉しくて履きかけの靴を引っ掛けながら圭ちゃんの方へ走った。俺の反応に純平がちょっと驚きながら、走る俺についてくる。 圭ちゃんが俺に気付き笑顔で手を振る。その可愛い手の振り方を見てにやけてしまった。なんなの? 可愛い! 俺が喋る前に圭ちゃんが興奮気味に話しかけて来た。 「陽介、やっぱり制服似合うね! かっこいいな!」 いやいや、そんなことより…… 「圭ちゃんどうしたの? てか、髪いいね! 思った通り凄え似合ってる!」 「そう? へへ……嬉しい。陽介に見てもらいたくて見せに来ちゃった! 靖史もいたんだけど、途中で彼女につかまってどっかいっちゃってよ……」 来ちゃった! って! 圭ちゃんてば彼女かよ!って、へ? 靖史、彼女できたんだ! 「彼女? 靖史に? まじか! いつの間に……」 靖史に彼女も驚きだけど、こうやって圭ちゃんがわざわざ俺に新しい髪型を見せに来てくれたという事がとてつもなく嬉しかった。 俺の横でポカンと純平が見ている。あ……純平の存在忘れてた。 「あ、純平ごめん。この人俺の友達の圭ちゃん」 「お、どうも! 俺、陽介のクラスメイトの純平。よろしく 」 しばらく校門のとこで立ち話をしていたけど、俺はバイトの事を思い出した。せっかくここまで来てくれたのに、もっと圭ちゃんと一緒にいたい。 「ごめん、圭ちゃん。これから俺バイトなんだわ……」 「バイト始めたの? うん、今日はちょっと寄っただけだから。また連絡するね」 圭ちゃんは「バイバイ」と手を振りあっさり帰って行った。 「遠目で見て派手な感じでビビったけど、あの人近くで見るとかっこいいね……てか、凄い可愛い人だな 」 ヘラっと笑って純平が言うから少しムッとして「可愛いとか言ってんな!」と言ってやった。 「純平、圭ちゃんに可愛いなんて言ったら殴られるからな。そこんとこ圭ちゃん凄い気にしてるから……」 それを聞いた純平は「気にしちゃってるところがまた可愛いな」と言って笑った。そうなんだよな……そういうところも俺は大好き。 でも俺は圭ちゃんのかっこいいところもいっぱい知ってる。 あんなイメチェンしちゃって、またモテちゃうじゃんか…… 心配だなあ。 今日は圭ちゃんと会ってしまってやる気がなくなってしまったけど、俺は純平と別れてバイト先に向かった。

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