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靖史君のあの日の出来事①
こんにちは、靖史です。突然すみません。
あまり出番がありませんが、俺は元気でやっています──
高校に入ってからというもの、圭は陽介の話ばかりするようになった。そりゃあんなに仲が良かったんだ。学校が違ってしまえば寂しいな……と思うのも無理はない。でもそれにしたって陽介のことばっか言ってるの、本人はきっと自覚がないんだろうな。
陽介は卒業式の時、圭に告白していたらしいけど、うまくいかなかったのかな? あの時は「告白する」とも言われていなかったし、はっきりとはわからないけど、それでも陽介の様子を見て告白するんだと何となくわかっていた。
でも結果はどうだったのか……? あの時陽介に睨まれたし、きっと俺のタイミングも悪かったんだろう。
卒業しても今までと変わらない付き合い。頻繁には会えなくなったけど、連絡を取り合えばいつでも会えた。その度に嬉しそうにしている圭の姿を見ると、圭だって陽介のことを意識しているように見えてしょうがなかった。
はっきり言って両思いだ。はたから見ててなかなか進展しないのが焦れったい。
今日は圭が飯を作るから、陽介と三人で食べようぜ、と言ってきた。
俺はオッケーしたけど……そうだな。ここは陽介に協力してやるか。陽介はきっと三人で遊ぶ度に俺のこと「邪魔」だとか思ってるんだろうからな。
俺って気が利く! この思いつき我ながら天才。
そう思って陽介に連絡を入れた。陽介が怖気づくといけないので、約束の時間ギリギリになってからの断りのメール。せっかくだから二人きりにさせてやんなきゃな。
頑張れよ陽介!
これで少しは進展するだろう。
そして次の日、一応圭にドタキャンを詫びた。
あからさまに圭の様子がおかしい。口数が少なく、ぼんやりしたかと思うと急に顔を赤くしたり。
そう、考え事……
おおかた、友情なのか恋心なのか……そんなところで悩んでるのだろう。
男同士だもんな。難しいところだ……
でもな、圭。陽介はずっと真剣だよ。
お前もいっぱい悩んで、ちゃんと答えを出してやれよ。
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