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好きな心と不安な心

靖史が心配してる── そうだよな。俺、ずっと無視しちゃってるんだもん。 最悪だ…… あの時の事があって、俺は頭がいっぱいいっぱいになってしまった。学校にも行く気になれなくなっていた。頭の中が陽介のことでいっぱいで、考えれば考えるほどどうしたらいいのかわからない。 陽介から告白をされた。それからは凄い陽介の事が気になっている。 でも気になっていると言っても、もともと仲が良いし、好きだと言われりゃ、そりゃあ俺も!ってなるわけで…… 普通に嬉しいよね? 友達として? 俺も陽介の思いと同じように恋心のような「好き」なのかな? ちょっとしたやきもちや嫉妬心、顔を合わせることへのワクワクする気持ちなんかを考えたら、もしかしたら俺も陽介のことが好きなのかもしれない、そう思えてならなかったんだ。 だからその気持ちを確かめたいのもあって、もう一度陽介だけを夕飯に誘ってみたんだ。 意識したら緊張する。 陽介も俺と会うときはいつもこういう緊張をしていたのかな? でもやっぱり陽介はいつもと一緒で、そんな風には全然見えなくて……なんだよ、ドキドキしてんの俺だけか? なんて思ったりしてさ。 生姜焼きを焼きながら、ふと思ったんだ。 女じゃなくて男に触れられるって、どんな気持ちなのだろうか? 陽介はそういう触れ合いも込みで俺のことを好きだと言っているんだよな? 友達同士ではしない行為…… 俺だって日本に来る前には、幼稚な恋だったけど彼女なんかもいたし触れ合いたいと思う対象は女だった。 陽介の事が好きだとわかっても、もしそういう事になったとしたら俺はちゃんと受け入れられるんだろうか? 男の陽介を…… 気持ちでは、俺は陽介の事が好きだ。正直、陽介を独占したいって思うくらい、もう俺は陽介に恋しているんだと思う。 陽介となら、いいかも……と、そう思える自分がここにいる。 でも頭で思っていても、実際そうなった時に体が拒んでしまったらどうしよう……と不安になってしまった。 そんなことを考えてる間に生姜焼きが完成。ぼんやりしていて少し焦がしてしまった。 リビングのソファで陽介がいつもと同じ格好で寛ぎ、テレビを見てる。 やっぱり緊張するな……

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