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拒んだりなんかしない
陽介と食事をしながら靖史の彼女の話で盛り上がる。俺は陽介の隣に座り、ちょっと近いかな? なんて思いながら、緊張を誤魔化すために酒を飲んだ。
俺はそうでもないんだけど、陽介は見かけによらず酒に弱い。
気が付くとほんのり赤い顔をしていた。こういうところ、意外で可愛いなんて思ってしまう。思わずジッと見つめていると、陽介と目が合ってしまった。思いのほか距離が近くてドキっとする。
俺がドキドキしてるの、ばれてないよな? 動揺してるなんて思われたら恥ずかしい。
そう思っておかわりでも持ってこようかと立ち上がり、歩き始めたら陽介に腕を掴まれ抱き寄せられた。
突然のことに驚く間も無くそのままギュっと抱きしめられる。こないだは後ろから抱きしめられたけど今度は真っ正面……
ドキドキが伝わりそうで余計に気持ちが焦ってしまった。
陽介は俺を抱きしめたまま黙ってる。
「陽介? ……どうした?」
何か言わなきゃと、恐る恐る顔を伺う。
「……ご、ごめん! 圭ちゃん。俺、酔ってる……」
陽介も緊張してるのか、物凄い慌ててるように見えた。
「ちょっ! 圭ちゃん??」
陽介は俺から目を逸らし、離れようとするから俺の方から陽介に抱きついた。陽介は驚いた顔をして何かを言っている。止められなくなるだの、圭ちゃんを傷つけちゃうだの…… うるさい。
「俺、……大丈夫だよ。陽介なら嫌じゃない……」
陽介に抱きつきながらわかってしまった。俺はきっと大丈夫。これ以上のことをしたってきっと平気だ。
陽介を拒んだりなんてしない。
※未成年の飲酒表現がありますが、飲酒は成人してからです。未成年の飲酒を推奨しているわけではありませんのでご理解の上お読み下さい。
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