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カミングアウト
靖史からメールがきてた。全然気がつかなかった。内容は圭ちゃんのこと…… 圭ちゃんの様子がおかしいんだって。
そりゃそうだ。
あんなことしてしまったんだ。俺のせいで圭ちゃんは悩んでいるんだ。
でも靖史も言ってる通り、いつまでもこんなんじゃダメだよな。ちゃんと俺から圭ちゃんに謝らないといけない。たとえ謝ったところで、やってしまった事実は消えないのだけど……
俺の様子がおかしいと、純平が毎日心配して気にかけてくれていた。理由もわからずにただ俺に寄り添い心配してくれている純平に申し訳なくて、俺は意を決して告白をした。
同性が好きな事、絶賛片思い中だという事、その事で最近辛い……という事をカミングアウトした。
純平は初めは酷く驚いていたけど「好きになるのに男も女も関係ないよな!」と言って、バンバン俺の背中を叩いて励ましてくれた。嬉しかった。純平も俺のことを厭わずに認めてくれた。
「陽介がこんなになるまで悩ませるなんて、あの保健医も罪だよな!」
「……は? 」
何を思ったのか、純平が頓珍漢な事を言うから力が抜けてしまった。アホな純平に全力で否定をし、相手は圭ちゃんなんだと説明をした。
ひと笑いした後に純平は「喧嘩でもなんでも思ってることはちゃんと伝えて、謝りたいなら素直に謝ればいい! 時間が経てば経つほど、気まずくなるんだから!」と俺に熱弁して帰って行った。
アホな純平なのに…… ありがとう。
勇気付けられてありがたくて涙が出たよ──
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