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久々の再会
学校で倒れたなんて最悪。みっともない。またみんなに心配かけてしまった。
呆れるよな…… 自己管理、全然できてなかった。自業自得ってこういうことを言うんだろう。
体育の授業中に目眩がして、フラフラする? なんて思っていたら、いつの間にか病院のベッドの上。てっきり保健室かと思ったんだけど、病院だったから凄い驚いた。
先生が、倒れた時に頭を打った上に俺がなかなか目を覚まさないから救急車を呼んで病院に運んだと教えてくれた。
……これは大騒ぎだったろうな。恥ずかしい。
一通りの検査も終わり、点滴も外れたところで母さんが病院に来てくれて、入れ替わりで担任は学校に戻って行った。
軽い熱中症で、打った頭の方は異常無しとの事。母さんが深々と頭を下げ、お礼を言う。
「もう! 陽介、心配したわよ。大事じゃなくて良かったわ……」
「ごめん。ありがとう」
あら素直ね 、と母さんは笑い、これからまた仕事に戻らないといけないから後はよろしく……と言って母さんも帰ってしまった。
俺は病院のロビーでしばらく座って休んでいた。もうなんだか色々と疲れてしまった……こんな事なら本当にさっさと圭ちゃんに謝ってしまえばよかったと後悔ばかり頭に浮かぶ。誠心誠意謝れば、圭ちゃんだって俺の過ちを許してくれるはず。意気地が無いばっかりにこんなことになってしまった……
そろそろ帰らないと、と思い入り口へ目をやると赤い髪が目にとまる。
え? 圭ちゃん?
圭ちゃんは俺に気付かず、こちらに向かって走ってくる。俺は思わず「圭ちゃん!」と叫ぶとやっと気がついた圭ちゃんと目が合った。
「……陽介? 陽介! お前、大丈夫なのか?」
凄い剣幕で圭ちゃんが俺に聞く。
「あーうん、軽い熱中症だって。頭も打ったけど検査してもらって問題はないって……てか、なんで圭ちゃんがここに?」
「………… 」
「圭ちゃん?」
圭ちゃんは今にも泣きそうな顔をして、「よかった、よかった…」と言いながら、周りも気にせず俺を抱きしめた。あまりにも突然の出来事と圭ちゃんの抱擁とで俺は軽く混乱してしまった。また圭ちゃんと会えた事が嬉しくてあまり深く考えなかった。
なんで圭ちゃんが俺が病院にいるって知っていたのか……
なんで俺を抱きしめた圭ちゃんの体が小さく震えていたのか。
ちょっと前に圭ちゃんに起こった事なんて俺は知る由もなかった。
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