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紅潮
「はっ……あっ、圭ちゃん…… 」
俺達はそのままベッドに移動し、お互い抱きしめ合ってキスを続けた。
昂ぶってしまった気持ちは抑えることが出来ずに夢中で圭ちゃんを抱きしめる。
「圭ちゃん……大丈夫? 嫌じゃない?」
好きだと言ってくれた……それでもまだ自信がなくてどうしても気になってしまう。
だって俺は男だから……
俺のそんな気持ちを汲んでか、圭ちゃんは何度も何度も頷いてくれた。唇を重ねながら、圭ちゃんのシャツのボタンを外していきゆっくりと服を脱がせる。
あの時の嫌な出来事なんか早く忘れて──
俺は圭ちゃんのおでこ、頬、唇、首筋……とあちらこちらに優しくキスを落としていく。その度に気持ちがいいのかピクッと圭ちゃんが体を震わせてくれた。
「気持ちいい?」
「……うん」
俺とは違って白くて柔らかい肌…… 首筋から露わになった胸へと唇を這わし、可愛い乳首を捕まえる。こんなに興奮しちゃって圭ちゃんに引かれないかな? と心配だったけど、もう止められなかった。
軽く吸い付き舌で転がすと「んっ!」と可愛い声が漏れる。そんな圭ちゃんは慌てて手で口を塞いだ。
俺はその手を掴み、口から離した。
「だめ……声ちゃんと聞かせて」
「やだ……女みたいだ。恥ずかしい」
恥ずかしさに頬を染め、目を潤ませる圭ちゃん。こんなに可愛いなんて思わなかった。反則だ……
両手で乳首を弄りながら、脇の下や腰にもキスを続けるとどんどん甘い声が漏れてくる。
「はぁ……だめ、陽介……んっ、やだ……あっん、ぞくぞくする…… 」
上半身に這わせてる手を下へ移動させ、ズボンの上から硬くなった圭ちゃん自身に触れると、ビクッと身体を震わせ俺にしがみついてきた。直接触れてなくてもちゃんとわかる。圭ちゃんが俺の愛撫で反応してくれてる。それが何より嬉しかった。
「……触ってもいい?」
聞くとコクンと頷き「恥ずかしい… 」と小さく呟く。
キスをしながらベルトを外し直接ズボンに手を滑り込ませると、圭ちゃんの熱く滾ったものが触れた。堪らず全部脱がせると、ふるんと勃起したペニスが顔を出す。
俺との行為でこんなになってくれていると思うと、嬉しさと愛おしさがこみ上げてくる。
俺はなんの迷いもなく、それを口に含んだ。
慌てた圭ちゃんが一瞬身を引くけど俺は腰に手を添えそれを拒んだ。
「や! ダメだって……あ、 うっ……陽介……はっ、あっ……気持ちいいっ…… 」
もっと気持ち良くなって
もっと感じて……
「陽介、はぁっ……あっ……だ、だめっ……イッちゃう! やだっ…… 」
ビクッと体が跳ねたかと思うと口の中に熱いものが流れ込む。圭ちゃんは俺の頭にしがみつき、俺の口の中で果てた。ビクビクと圭ちゃんの鼓動を感じる。口の中にたまったそれを俺は一気に飲み干した。
顔を上げると圭ちゃんがハァハァと息を切らして呆然としている。薄っすら汗までかいて赤い顔をして……凄く可愛い。
「……ばかっ! 何やってんだよ!」
俺が飲み込んだのに驚いたのか、口でイッてしまったのが恥ずかしかったのか、顔をこれでもかってくらい紅潮させて怒ってる。
圭ちゃんの慌てっぷりが可笑しくて思わず俺は笑ってしまった。
「俺ばっか気持ち良くてだめ……陽介も 」
もじもじと喋りながら、今度は圭ちゃんの方からキスをしてきてくれた。
「陽介も気持ちよくなって……」
そう言って俺の股間に手を伸ばしてくる。
その気持ちが嬉しい。
でも……
「俺はいいの。圭ちゃんが気持ち良くなってくれれば俺は満足だから。これから先は、ゆっくりでいいから。ね……」
そう言って圭ちゃんの手をそっと握った。
俺はここまで来てもまだ、自分に自信がなかった。
圭ちゃんが俺の裸、ましてや俺自身を見た時に、やっぱり男だから……と、引いてしまうかもしれない、そんな気持ちがあったんだ。
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