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変わらない幸せ

陽介に髪は短めの方が好きだと言われた。少し伸ばそうかな? なんて思っていたけど、俺はやっぱり髪を切ろうと決めた。 陽介に寄りかかりお互いの体温を感じる。何をしているわけでもなく、ただ一緒にいるだけで幸せに感じる。当たり前にある心地よさに俺はいつも甘えてしまう。 不意に首の後ろにキスをされ、体がビクッとなってしまった。 もう…… 髪を弄られているだけなのに、何でこんなに気持ちいいんだろうな。 あ……そうだ! 俺はあることを思いつき陽介を振り返った。 すぐにキスをしてくれたら陽介に髪を切ってもらおう。「なに?」と聞かれたら、髪はまた今度にして、すぐに買い物に出かけよう。 そんな事を考えて陽介のことを見たけど、俺が笑いかけたらすぐに陽介はキスをしてくれた。 「陽介が切って 」 俺がそうお願いすると、ちょっと躊躇ったような態度を見せた。でもいつもそう言ったって綺麗に仕上げてくれるんじゃん? 何度も「知らねえよ?」なんて言いながら、結局陽介は俺の髪を切る準備をしてくれた。 いつものようにベランダに出て陽介に髪を切ってもらう。 真剣な顔で俺の髪を切る陽介。やっぱりかっこいいんだよな…… たまに俺ばっかりが陽介の事を好きなんじゃないかって思う。でもほら、こうやってすごく愛おしそうな顔をして俺を見てくれるから、陽介も俺のことを同じように思ってくれてるんだろうな…… と安心するんだ。 俺、陽介の事を好きになって本当によかった。 初めて陽介を好きだと実感した時から、ずっとそれは変わらない。 「好き」 の気持ちが色褪せない── 髪を切り終わり、洗面所の鏡で仕上がりを確認した。 やっぱり思った通りに陽介は俺の髪をかっこよく仕上げてくれた。 「陽介凄いね! うまいよやっぱり。短すぎないでいい感じ。シャワー浴びるからちょっと待っててね」 さっぱりしたし、ここはさっさと支度を済ませて出かけたかった。それなのに陽介まで風呂場に入って来てしまう。 ダメじゃん…… 触れたくなる。触れて欲しくなる…… 誤魔化して陽介の顔にシャワー浴びせてふざけてみたけどだめだった。 陽介を見ているだけでドキドキしてくる。結局キスをされてその気になってしまった。いつもみたいに陽介にぶら下がり、ベッドルームまで連れて行ってもらう。徐にベッドに落とされ陽介に押さえつけられた。 男らしさにドキッとする。 たまに見せる陽介のこういう表情。付き合って三年目になるのに、なかなか慣れない。その熱い瞳に吸い込まれそうでドキドキが止まらない。 「……どうした? ドキッとしちゃった?」 「陽介…… かっこいいからドキドキする」 俺は素直にそう答える。 「……圭ちゃん、愛してるよ」 優しく何度も俺にキスをしてくれる陽介に、答えるように俺からもキスを強請る。両手を押さえつけられたままの優しいキスに、何故だか涙が溢れそうになった。 「陽介、俺も愛してるよ……」 陽介の腕から逃れ、俺からも唇を重ねた。 ……大好き ……大好き 好きな気持ちが止まらない。 当たり前の幸せ、二人で築いてきたこの関係はずっとこれからも続くものだと思っていた。 この先もずっと一緒に──

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