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異変
康介達を連れて行ったライブからだいぶ経ち、あの竜太君が周と付き合うようになったと康介から聞かされて俺は驚きを隠せなかった。
あの竜太君が……
まあ、男だろうと女だろうと竜太君が他人に興味を持てた事は喜ばしい事だ。でもあの周と竜太君だろ? 予想外の組み合わせにやっぱり驚き、俺は何回も康介に聞き返してしまい「しつこい!」とウザがられてしまった。
今日はこれから靖史と会う約束をしている。靖史と会うのもライブの時以来だから久しぶりだ。
靖史と圭ちゃんの通う学校近くのファーストフード店で待ち合わせ。先に来ていた靖史がコーヒーを飲みながら、店に入った俺に軽く手を振った。
俺は腹が減ってたからバーガーのセットを頼み、靖史のいる席に座る。
「久しぶりだよな…… どうした? 何か話があるんだろ?」
俺はコーラをストローで啜りながら靖史に聞いた。改まって「二人で話しがしたい」なんて言われちゃ何事かと気になるってもんだ。いつもなら圭ちゃんも一緒で、こうやって靖史と二人で会うなんてことはない。 きっと圭ちゃんに関する事なのかな? と不安も過ぎった。
靖史は俺の顔を見て、何だか言いづらそうに話し出す。
「お前らさ、何かあったのか……?」
唐突にそんな事を言われても、何の話かわからなかった。
「へ? 何もねぇよ…… なにが?」
靖史が言うには、最近の圭ちゃんの様子がおかしいらしい。塞ぎ込んでいたり、空元気にしていたり……
それを聞いて、何となく心当たりがなくも無かった。
理由はわからないけど、最近考え込んでいたりわざと取り繕ったような笑顔を見せたりするのには俺も気がついていた。初めこそ俺が何かやらかしたのかと不安になったけど、どうやら俺が原因ではないらしい。正直、どうしたのか圭ちゃんに聞こうかとも思ったけど、圭ちゃんの方から俺に何も言ってこないということは、きっと今は言いたくないのだろうと思ってそっとしていた。
「圭ちゃん、学校でもそうなの?」
俺が聞くと、やっぱりお前と会ってる時もそうなのか…… と溜め息を吐いた。
「てっきり陽介と喧嘩でもしたのかと思ったんだがな…… スタジオで練習してても上の空でさ、勘のいい修斗も圭のこと気にしちゃって参ってんだよ。圭本人はまわりにそう思われてるなんて微塵も思ってないみたいだし…… 」
とにかく圭ちゃんを何とかしろ、と頼まれてしまった。
何かを悩んでるのは一目瞭然で、何とかしてやれるのは俺しかいないからって……
そうだよな。俺もきになってはいたし、そろそろちゃんと圭ちゃんに聞いてみてもいいよな?
俺は靖史と別れ、圭ちゃんに連絡を入れてからマンションに向かった。
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