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おやすみ
新学期が始まってからすぐに文化祭があり、今年の圭ちゃん達のバンド演奏もすごく盛り上がった。
圭ちゃんと一緒に校内をまわり二日間をたっぷりと楽しみ、そして文化祭の後はD-ASCHのみんなと恒例の打ち上げ。俺は圭ちゃんと早めにマンションに帰って料理の準備をした。 今年は康介や竜太君、お友達だというモデルの志音君も加わり、賑やかでとても楽しく過ごした。
打ち上げもお開きになり、周と竜太君は圭ちゃんの家に泊まることになり、空き部屋に布団を用意してやった。
俺は後片付けを手伝いながら、圭ちゃんの様子を眺める。
普段と変わらず楽しそうにしてるけど、時折見せていた寂しそうな表情……
ほら…… 今もなんだかぼんやりしている。
「圭ちゃん、竜太君達お風呂終わったみたいだし、俺らも一緒に入る?」
俺が声をかけるとハッと我に返り「先に行ってて…」と気の無い返事をされてしまった。「先に行ってて…」と言われた時は、大抵なかなか来なくて俺一人で入って終わるってパターンが多い。
期待しないで俺は先に風呂へ入った。
しばらくすると、案外早く圭ちゃんが入ってくる。
「あれ? 圭ちゃん来ないかと思ったけど早かったね」
「うん、急いで来た…… 陽介とゆっくりしたかったから」
そう言って、さっと体を流して湯船に入ってくる。いつものように俺は圭ちゃんを前に抱えて後ろから抱きしめた。
「今日も一日お疲れ様」
そう耳元に囁くと、陽介もな…… と小さな声が返ってきた。
圭ちゃんと二人でゆっくりと温まりながら他愛ない話をする。後ろ向きに座ってるから、表情はわからないけど…… たまに会話がふっと途切れる時があるから、きっとまた何かを考えてるんだろうなって思った。
二人で一緒に体を洗って、一緒に出る。
部屋でなにやら小競り合いをしている周と竜太君に圭ちゃんが注意をしに行き、おやすみをしてから寝室に入った。
ベッドで俺は圭ちゃんを抱きしめる。
俺の胸に顔を埋める圭ちゃんの髪にキスを落とし「おやすみ…」と囁いた。
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