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決心

陽介にも正直に話した。 すごくドキドキした。 この場から逃げ出したくなった。 俺が伝えると、やっぱり思っていた通りの事を陽介は言う。 「いつまでも待ってる」 「戻れないなら俺がそっちに行く」 ……それじゃダメなんだ。 俺は優しい陽介に甘えたくないんだ。 陽介のこれからを俺のせいで無駄にさせたくないんだ。 俺だって出来ることなら陽介とずっと一緒にいたい…… 爺さんになっても一緒にいたい。 大人になって結婚して、子を作って当たり前に家族を持つ事は出来なくても、俺は陽介がいればそれだけで構わない。 でも、陽介にはそうじゃない別の幸せがあるかもしれないのに、俺のせいで留まらせてしまうわけにはいかないから…… この場でスパッと別れてお互い別の道を進んで行くべきなんだ。 そして万が一、この先別れて進んだ先でまた陽介と一緒になれるような事があるのなら、その時は俺は絶対に陽介を離さない。 陽介が俺と別れてこの先どう過ごそうとも、俺は絶対に陽介に会いに日本に戻る。 自分の道を決めてここに戻る。 時間がかかるかもしれないけど、そう決めたんだ。 戻ってきた時に陽介が他の幸せを手に入れていたのなら、それはそれでいいんだ。その時は俺は身を引く覚悟は出来てる。 陽介が幸せならそれでいい── 別れる事に納得のいかない陽介が辛そうな顔で俺を見ている。 ごめんな…… でも俺のせいで陽介が縛られるのが許せないんだ。 「俺のために、別れて下さい……」 胸が引き裂かれる思いでそう伝えると、やっと陽介は頷いてくれた。 「……わかったよ。ごめんね、駄々こねて……でもさ、でも……別れるのはまだ。圭ちゃんが日本にいる間……親父さんのとこに帰るまでの間はさ……今まで通り恋人同士でいてよ。お願い。圭ちゃんがまだここにいる間だけでも一緒にいさせて……ください」 涙を必死に堪え、俯いた陽介が俺にそう言う。 愛しさが込み上げてくる…… ダメだ……本当にごめんな。 ごめん…… 勝手でごめん、俺のせいでごめん…… 俺は堪らなくなって、陽介を抱きしめた。きつくきつく抱きしめる。 「俺が日本を出るまでの間は、今まで通り一緒にいような……ごめん。辛い思いさせちまって。愛してる、陽介。これからもずっと……」 陽介は俺の腕の中で黙って頷いた。

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