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勉強会
今日から圭ちゃんの家で勉強会──
どうやら周と康介が赤点を取りそうでヤバいらしく、圭ちゃんに泣きついたみたい。圭ちゃんはああ見えて頭が良くて、教え方も上手なんだよな。
せっかく今日はバイトが休みなのに、圭ちゃんと会えないのがちょっと残念。
いや……ちょっとじゃねえな、かなり残念。
でも「みんな集中するから陽介は来ないでね」なんて可愛い顔で言われちゃ嫌だと言えない……てかさ、俺も圭ちゃんに勉強教えてもらいたかったよ。
周と康介、おまけに竜太君と修斗まで圭ちゃんの家に押しかけ、勉強会が連日続いた。
……俺だけのけ者。
さすがにイラついて圭ちゃんに訴えたら、数日後、やっと勉強会をやめてくれた。
「ごめんね、断れなくてさ……でもね、周と康介君が赤点免れたらみんなで遊園地に遊びに行こうって修斗に誘われたよ」
その遊園地って、後夜祭のビンゴで康介がGETした遊園地の宿泊チケットのやつか。確か周に譲ってやってたんだよな。
「楽しそうだね。俺らはどうする? どこか泊まる?」
「いや、俺らはいいだろう。俺んち泊まってよ……そういやなんかさ、修斗が気にしてて……俺たちの様子が変だって……あいつよく見てるよな。きっと気を使って誘ってくれたんだと思うんだ」
俺たちは、卒業後に別れるという決断をした。
でもそれまでの間は今まで通り。
俺はとりあえずは踏ん切りがついているけど、圭ちゃんはバンド活動の話はまだ周と修斗に話をしてない。
きっとその事もあって、勘のいい修斗は何かを察しているんだと思う。
「バンドの事も近々話すんだろ?」
「うん……そろそろあいつらにもちゃんと話さないとな、とは思ってるんだけど、なかなか…… 」
俺は隣りに座る圭ちゃんを抱き寄せ、おデコにキスをする。
「だめだよ、早く言ってやんなきゃ……」
否定されたり揉めたりするのが嫌なのはよくわかる。けどもう圭ちゃんの中で決まってしまっている事なら早めにちゃんと伝えてやらなくちゃ。
意識してなかったのに、この事が決まってからというもの、時間が経つのが早すぎる……
……このまま時間なんて止まっちゃえばいいのに。
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