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観覧車

圭ちゃんの講師のおかげで無事に赤点を免れ、楽しみにしていた遊園地へみんなで行くことになった── 電車の中、周はなんでみんなで行くことになってんだと言わんばかりに不機嫌になっている。それとは対照的に楽しそうな修斗…… 野郎ばっかで健全に遊園地。なんかこういうのもいいよな。 それにしても、康介と修斗はあれで付き合ってないのかな? 見てると修斗は康介にずっとちょっかいを出してるし、構われている康介も照れながらも嬉しそうにしている。 俺は康介のあんな顔なんて見たことない。 康介は女が好きだったような気もするけど、どう見ても今は修斗の事が好きなのは一目瞭然。修斗も最近よく家に遊びに来るし、康介の事が好き好きオーラがわかりやすい。 時間の問題だろうけど、なんだかもどかしいな。早く付き合っちゃえばいいのにな……と圭ちゃんとそう言って笑った。 遊園地についてからはみんなで乗り物に乗ったり、別行動をして楽しんだ後また落ち合って食事したり、凄く楽しかった。 よく考えたら、圭ちゃんと一緒に遊園地来たの初めてだ。 いい思い出になった…… 誘ってくれた修斗に感謝だな。 最後に二人で観覧車に乗った。陽も暮れて夜景が凄く綺麗だった…… 「………… 」 少し前から、俺は圭ちゃんの口数が減ってることに気付いている。 俺が黙ってるからか、圭ちゃんが少し心配そうに俺の顔を覗いた。 「陽介?」 「……ん、圭ちゃん。隣いってもいい?」 圭ちゃんは今、何を思っているんだろう。 寂しそうな顔をさせてしまってるのは、俺のせい? 「楽しかったね…… 俺ら遊園地初めてだったね」 「そうだな、俺も思ってた 」 「………… 」 圭ちゃんの肩に頭を寄せながらそう言うと、少しだけ元気になった圭ちゃんも明るく話す。 やっぱり俺は元気で笑ってる圭ちゃんがいいよ。 「これからは俺、バイト減らしてさ…… なるべくたくさん圭ちゃんと一緒にいるよ」 「うん……」 日も暮れて街明かりが幻想的にも見えるこの絶景より、二人だけの空間を満喫するようにお互い寄り添いながら静かに会話を続けた。 「……思い出、いっぱい作ろうな……これからもずっと」 「……… 」 俺が隣にいる間は、圭ちゃんに寂しそうな顔はさせないよ…… 「陽介……」 俺はもう泣かないよ。 大丈夫だから、心配しないで…… 「うん、大丈夫……わかってる」 大丈夫だから…… だから圭ちゃんも泣きそうな顔しないでね。 俺は黙って圭ちゃんを抱き寄せた。

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