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卒業しても
クリスマスライブも大盛り上がりで終わった。
クリスマスライブの後は、恒例の打ち上げがある。
付き合ってから三度目のクリスマス……でも来年のクリスマスはきっと一人だ。
俺の横には圭ちゃんはいないんだろうな。
全然実感がわかない。
高校一年の夏……圭ちゃんに思いが伝わって、圭ちゃんもそれに答えてくれて、俺は幸せ絶頂だった。一緒に過ごせば過ごすほど、俺の中の好きの気持ちが大きくなって、薄れることなんて全然なかった。
俺のために料理を始めた圭ちゃんは、今では店を出せるんじゃないかってくらい凄い腕だ。
俺の誕生日には手作りのケーキも。サプライズまでしてくれて……
喧嘩もほとんどなくて、仲良く楽しかったな。
今年で最後になる二人で過ごすクリスマス。
本当はこんな打ち上げさっさと切り上げて、圭ちゃんと二人っきりで過ごしたい。
圭ちゃんは一応D-ASCH のリーダーだからか、お開きになるまでの間ずっといた。
周も修斗もとっくに帰ってるのに……
でもしょうがないか。
他のバンドのメンバーにも卒業後に解散する話もしながら挨拶をしている圭ちゃんを見て、俺はひとり寂しさがこみ上げてきて泣けてきてしまった。
「……陽介? 大丈夫か?」
廊下の隅で座り込んでしまった俺に気がついた靖史が声をかけてくれる。
「んん……あんまり大丈夫じゃない……けど大丈夫」
「なんだよそれ。ダメじゃんか」
靖史が笑う。
横に一緒に座り込んでくれた靖史が、俺の頭を抱いてくれた。
……前にもあったな、こんな事。
情けない涙の顔を靖史が抱いて隠してくれた。
どうしようもなく涙が溢れる。しばらくの間、靖史の腕の中で俺は泣いた。
「こないだ圭の奴、周と修斗にもちゃんと話したぞ。思った通り周はめちゃめちゃ怒ってたけどな……そんでもって、みんなで納得して、卒業までちゃんとやり抜く事にしたから。でもね、俺らは三人でも続けるよ。圭が帰ってきた時にも続けてたら、まあ入れてやってもいいかな? って思って」
クスクスと笑って、俺の顔を覗く。
「だからさ、卒業しても俺らの事応援してくれよな。陽介も圭のこと、待つんだろ? 寂しくなったらいつでも俺が励ましてやるから安心しろ」
……靖史さぁ、そんなに優しい事言うなよ。
涙が止まらくなるじゃんか。
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