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圭ちゃんが俺を見下ろし、ふっと笑う。そして俺から離れると、うつ伏せになり少しだけ腰を上げた。 「……挿れてよ……陽介の好きにして 」 圭ちゃん…… 俺は圭ちゃんの腰に抱きつくようにして顔を埋める。いつもは恥ずかしがってさせてくれない事が多いけど今日は違った。俺は圭ちゃんのアナルに舌を這わす。ゆっくりとじっくりと、圭ちゃんが辛くならないように丁寧にそこを解すと、枕に突っ伏した圭ちゃんが切ない声をあげた。 「挿れるよ? 圭ちゃん……ねぇ……このまま後ろ向きでいいの?」 「………… 」 顔が見えないから嫌だと言って、圭ちゃんはセックスする時は正常位や対面でする事が多かった。背後からするときだって、できるだけ体を密着してするから…… この体位はなんだか圭ちゃんが遠くて寂しく思ってしまった。 それでも圭ちゃんからの返事がないから、俺はゆっくりと挿入させて緩々と奥へと突いていく。目一杯解していたから難なく俺は受け入れられ、俺の律動に合わせるように圭ちゃんは小さく呻き始めた。 「……んっ……ん……んっ」 堪らなくなり、俺は圭ちゃんの背中に被さり枕に顔を埋めたその頬にキスをしようと顔を寄せた。 ……? まさかとは思ったけど…… 圭ちゃん、枕に顔を押し付けて声を殺すようにして泣いていた。 「ばかだな……圭ちゃん、顔上げて……俺の事見て……」 小さく首を振る圭ちゃんの頬と耳に俺は優しくキスを落とす。 「ほら、顔!……見せて……泣いててもいいから…… 」 俺は一旦圭ちゃんから離れ、顔を上げようとしない圭ちゃんを抱き上げた。 「………ご、ごめん……ごめんね……俺、なに泣いてんだ……よな。 ごめん……ほんと……はは……」 次から次へと零れ落ちる涙を、慌てて両腕で拭いながら力なく笑う圭ちゃんを、俺はギュッと抱きしめる。 「決めたんだろ? 圭ちゃん、頑張れよ……今日は俺に抱かれるんだろ? 顔、隠してたら圭ちゃんの気持ちいい顔、見えないじゃんか……」 相変わらず涙を零してる圭ちゃんに、俺は笑いながら言う。 ……俺まで泣いたらダメだ。 「どうする?……今日はやめとく? ……いいよ、俺はどっちでも…… 」 圭ちゃんの前髪を指先でかきあげ、顔を見つめながら額にキスをする。 愛おしい…… 大好き…… 愛してるよ……圭ちゃん。 心の中でそう囁きながら、俺は泣いている圭ちゃんを優しく包み込むように抱きしめた。 なんだよ… 今日泣いてばっかじゃんか、圭ちゃん。 ズルイよ。 俺は泣きたくなるのを必死に堪えた。

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