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第7話

*勇真サイド* 「熱くてくるしいぃ」  布団の中でもがいていたら、覆っていたものを全部はがされた。  なんだ?   何が起こってる?   黒金の顔が近づいてる?  唇に柔らかいものがそっと触れ、甘い痺れが全身を駆け巡り声が抑えられない。  苦しくて、早く出してしまいたくて手を出したら、握られた。 「お前は何もするな。どうせ、手に力、入らないだろ?」    へぇ? 何? 「ふ、ぁ。あっ・・・・・・」  な、ん、だ、よ。声が・・・・・・。 「ちゃんと感じてるな・・・・・・なら、ここは?」  甘い痺れに加えて、先端を無理やり抑えられ圧迫される。 「うぅぅぁぁっ! そ、れ、ゃ、やだぁっ!」 「嫌がる割には、随分と我慢汁が出てるんじゃないか?」  もう、むり。  俺は黒金をじっと見つめた。  自分でも何を言っているか分からなくなるほど、快感に溺れてしまっていた。 「く、ろがねぇ、はやくぅ」 「っ・・・・・・・・・分かった、終わらせてやる」  ちょっと強めにそれを握られ、始めはゆっくり擦られ、声が大きくなるにつれてその動きは速くなっていく。そして、俺のそれは絶頂を迎えた。 「んっ、あぁぁ!」 「うわぁぁ! はぁ、はぁ、はぁ」  布団から飛び起き、周りを見る。 「はぁー、何だ、夢か・・・・・・よかった」  そっと胸をなで下ろすが、それどころでないことに気が付く。  ってよくねぇー。  なんだよあの夢。  ありえなくね!   嘘だよな!     なんで俺があいつに抜かれてる夢みてんの!?  妙にリアルだし!  しかも、あん、あん、声上げてるし!   心配になって自分のものを見る。  そして、何も無い状態なのを確認してふぅーと息を吐いた。  布団に顔を埋めていると、コンコンとリズムの良いノック音が聞こえた。  ドアに向かって「はい」と返事をすると母さんが入ってきた。 「母さん・・・・・・今何時? これ、学校始まってる時間だよね」 「ゆうちゃん、目が覚めたのね。よかったわ。学校にはお休みの連絡を入れてあるわ。それで具合はどうなの?」 「具合も何も、俺元気だけど?」  首を傾げながら母さんに質問で返す。 「あら、もしかして覚えてないの? 昨日のこと」 「昨日って?」 「なんでも、かずくんが言うにはゆうちゃん雨の中、道ばたで倒れていたそうよ。ここまでゆうちゃんを運んでくれて、付きっきりで看病もしてくれたんだから」  俺は一瞬自分の耳を疑った。あれほど、対立していたのに俺のことを見ていたなんて、嘘に決まっている。 「はぁ? そんなわけないだろ?」 「本当ですよ。お風呂だって一緒に入ってたんだから」 「んなっ!」  あいつ、俺になんかしたんじゃないのか? 「母さん、俺、もうちょっと寝るわ。ちょっと疲れた」  情報が処理しきれない。寝て忘れてしまおう。 「そうね。まだ病み上がりなんだし、しっかり休んで。おやすみなさい」  そう言って母さんは部屋から出て行った。  俺は、ゆっくりと瞼を閉じた。  そっと温かい何かが髪を撫でている。  きもちいい。  俺はゆっくりと目を開け、その光景に悪寒を感じ、慌ててベッドを離れ壁の隅に逃げた。 「な、な、な、なんで!」  指を差しながら、黒金を睨み付ける。 「ふっ、そんなに驚くことねぇだろ。せっかくかわいい寝顔だったのにな。起きちまったか」  黒金は残念そうに笑みを浮かべ、俺のベッドに座る。 「そこ、俺のベッドなんだけど・・・・・・」 「知ってる・・・・・・今は何もしないから、そんな怯えんな」  いつもと違う雰囲気の黒金にちょっと違和感を覚える。 「何だよ。一体・・・・・・」 「うーんと、あのな。俺が前言ったこと撤回させてくれ」  なぜか、頬を赤らめ、頭を掻く黒金。 「はい? 何を撤回するんだよ」 「ほら、逆らわれるとそそられるから、服従させたいとか言っただろ?」 「あーね。言ってた」  なんだ?   もしかして、もう、俺のこと惚れさせるのをやめるって事か?  それなら、ありがたいぜ。  もう、こいつのこと考えなくて済む。  しかし、俺の期待は全く実らなかった。 「それで、俺、お前に惚れちまったんだわ」  はぁ!? 今なんつった? 「服従させたいとかじゃなくて、本気で俺に惚れさせたくなった」 「ま、まて、まて、まて、まて。おかしくねぇか。何でそうなった? 俺はお前が嫌いで、お 前は俺が嫌いなんだろ!」 「しかたねぇーだろ。あんなの・・・・・・見ちまったら」 「あんなの?」  どういう意味なんだと首を傾げたら、話の腰を折る様に黒金が声を張る。 「とにかく! 俺はお前を惚れさせるために、どんどん口説いていくから覚悟しとけ!」  そう言い切って俺の返事すら聞くことなく黒金は部屋から出て行ってしまった。 「なんだそれ!? 俺に惚れただぁ? はぁ? 初めと大して目的、変わってないじゃんか! もう! 誰か、嘘だと言ってくれ!」

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