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第25話 屈辱② ※

「ヴァンパイアの血の呪いのような『面白い』種族の特性は、君たちウェアウルフにもあるようだね。『征服契約』だっけ」  一誠のその言葉を、目の痛みに苦しみながらヴォルフは認識する。  吸血行為を行った対象を、そのヴァンパイアの虜にする血の呪い。  対して、ウェアウルフの征服契約は、ある儀式を通してウェアウルフ同士、時にはそれ以外の種族とはっきりとした上下関係を伴った主従契約を結ぶものだ。ウェアウルフ大公爵のヴォルフは、その儀式を他のウェアウルフの小さな群のリーダーと行い、種族のトップに君臨していた。  ____ビリィッ!甲高い音がヴォルフの耳に響く。  ヴォルフの身につけている衣服が、一誠によって乱暴に引き裂かれたのだ。  痛みで朦朧とする意識の中、ヴォルフは一誠が何をしようとしているか感付き、抵抗する。 「や、やめろ!!貴様!自分が何をしようとしているのか、分かっているのか!?」 「征服契約の儀式。即ちセックスだよね」  __ウェアウルフの征服契約の儀式とは、戦いで相手を打ち負かした後、セックスを行うことだった。  一誠は現に、ヴォルフの目を魔法のナイフで刺し、打ち負かした。征服契約の儀式の半分はすでに達成している。 「興味本位で男性を抱いたことはある。少なくとも、今の君より酷いことにはならないはずだよ」 「あ、ありえないッ!魔界の大公爵が、に、人間の下にくだるなど!!」 「でも、征服契約で君が私に絶対服従するようにしないと、私、殺されるから」 「こ、殺さない!!殺さねえから!!やめて、やめてくれ!!」  必死のヴォルフの訴えに、一誠は数秒間何事かを考えるように笑顔を消すと、すぐにふっと美しい微笑を浮かべて、ヴォルフの目のナイフを抜き取った。 「あっ……は、は、考えを、改めてくれたか……?」  体内で暴走していた魔力が正常な循環を取り戻し始め、思考も明瞭になっていく。ヴォルフは急いで、目の修復を急いだ。後は腕に力が入るようになれば、振り払って一気に形成逆転できる。例え法律を犯しても、自分に屈辱を合わせた甘崎一誠という人間を生かしておく気はなかった。  だが、力が戻り始めた身体に、今度はヴォルフの太腿に再び反作用のナイフが撃ち込まれた。 「あああああああッ!!?」  またもや痛みと、体内で暴走を始めた魔力にヴォルフは悲鳴を上げる。 「ダメだ。やはり私が殺される予測しか出ない。悪いが、きっちりと征服契約は結ばせてもらうよ」  希望を与えられ、それを再び奪われた絶望の中、太腿の痛みとは裏腹な、恋人にするような優しいキスがヴォルフの唇に落とされた。  ナイフの効果でヴォルフは自分で動く力が出せない。  一誠はガバッとヴォルフの脚を開くと、局部を覆う布にどこからか持ってきたハサミを当て、器用に身体を傷つけないようにそこだけを切り取る。性器と後孔だけ露出した屈辱的な格好に、ヴォルフは歯を食いしばった。 「ウェアウルフだけど、ここは案外薄毛なんだね」  余計な言葉にヴォルフの頭は羞恥で燃えるようなる。  しかしさらに、れろ、と後孔に感じた感触に喉から引きつったような声が漏れた。 「ひッィ……!!」  信じられないことに、一誠はなんと孔を舌でほぐし始めた。 「あ、ひ、そ、そんなところを舐めるんじゃ……!!」 「血が出たりしたら、強姦みたいになってしまうだろう」 「そこでしゃべるなぁ!それに、これは、立派な強姦、だろうが……!」 「君は私の僕になるんだ。優しい主人でありたいと思うのは当然だろう」 「ち、ちがう!俺はウェアウルフの、大公爵ッ……!こんな、人間なんかに従うわけには……!」  ぬろ、と舌が内部に侵入してきて、ヴォルフはその感覚のおぞましさに言葉を失う。なのに何故か、気持ち悪さとは別の感覚が今まさに舐められているところから湧き上がってくる。 「ああっ!!」  意識が混乱する中、一誠の舌が孔から性器へと移動し、フェラをし始めた。明確な性感帯への刺激に、ヴォルフの感覚の中に快感が小さくではあるが混じり始めた。 「んっ、んむ、れろぉ……なんだ、ここは人の形なんだね。射精はどうなんだい?やはり犬のように長いのか?」  ____こいつッ!儀式中に観察してきてやがる!!  もたらされる感覚に翻弄されながら、ヴォルフはこんな時にも知識欲を暴走させる一誠に戦慄した。  しかし無駄口を叩きながらも、一誠は指を使って孔をほぐし続けている。ナイフの効果で体全体が弛緩している為、一誠がかつて経験した時よりもずっとスムーズに『儀式の準備』は進んでいった。

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