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Don't Be 6

 二年生になってまもないある日。 「いつまで経ってもちっちぇーなァ、ほんとに男かよ?」 「色も白いし顔も女みたいだしな」 「名前も女みたいな変な名前だしな?伊織ちゃ〜ん」 「ホントに男なのか、調べてやろうぜ」 「え、嫌」  最後まで言わせてももらえず、伊織は同じクラスの三人の男子に押さえつけられた。放課後の教室でのこと、意気揚々と部活に行こうとすると、声をかけられたのだった。  声も上げられぬまま、制服のズボンのボタンを外され、ファスナーが降ろされていく。四肢をがっちりと床に押さえつけられ、ただでさえ小さな伊織には抵抗できない。 「やめて、お願い、ごめんなさい、ごめんなさい」  着衣を乱し、涙を流しながら、イヤイヤと首を振って繰り返し謝る伊織を見ていると、クラスの男子たちは加虐心を煽られた。ちょっと揶揄うだけのつもりだったのだが、なんだかその気になってきてしまった。 「ヤバい、ムラムラしてきた」 「俺も……」 三人はゴクリと生唾を飲んだ、その時。 「こら!何してるんだお前ら!!」  見回りに来た稔が現れ、大声で怒鳴りつける。男子たちはひどく狼狽え、稔の声を聞きつけた他の先生によって職員室へ連行された。 「大丈夫か、高杉」  そっと稔が伊織に近寄る。ズボンのファスナーはすっかり下ろされ、もう少しでトランクスを下げられるところだった。 「だ、大丈夫です、慣れてるから平気です」 「慣れてるって…」 「ぼくは生まれて来てはいけない子だから、みんなぼくのこと嫌いなんです。こんな痩せっぽちだし、名前だって変だし…」  涙を滲ませたまま全てを諦めたように微笑う伊織を見て、稔はいたたまれなくなった。 「そんな悲しいこと言うな。俺は好きだよ、伊織って名前も、……君のことも」  上半身を起こさせてやり、下半身には着ていたカーディガンを掛けてやる。 「先生……本当?」 はらはらと涙を流しながら見上げられ、稔は目のやり場に困ってしまった。この子はなんて、なんて……  どうしてこんなに綺麗なのに、誰からも愛されてこなかったのか。 確かに体格には恵まれずおどおどとした態度を気に入らないと思うものはいるだろうが、みにくいアヒルの子のように、今まさに白鳥へ変身しようとしているところなのに。  気がつけば、伊織を抱きしめていた。 「本当だとも、好きだよ、伊織」

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